施工管理に必要な段取り力について解説します。

2025-02-24

施工管理に必要な段取り力について解説します。

段取りという言葉の意味は、物事を行う順序や手順、準備のことです。建設業での段取りとは、工程表に基づいて労務や資材、建設機械などを手配して、現場がスムースに回るように準備することをいいます。

段取りが良くないと現場が停滞して予定通りの施工ができなくなることがあります。そのため、段取りを適切に行うことは、施工管理にとって重要なスキルの一つです。 

施工管理における段取りの必要性や段取りの方法、段取り力を高める方法についてわかりやすく解説します。また、施工管理の段取りをサポートするアプリ「現場ポケット」についても紹介していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

なぜ施工管理に段取り力が必要なのか?

「段取り八分、仕事二分」という言葉があります。仕事を開始する前に充分に準備を整えておくことの重要性を伝えるための言葉で、段取りが完璧であれば仕事の8割は完了したようなものであるという意味です。 

適切な段取りを行うことで、現場にどのようなメリットがあるのかを3つのポイントで解説します。

効率や生産性を上げるため

建設現場の施工管理では、工期を厳守しながら安全に留意して、設計書に定められた施工品質をクリアすることが求められます。これを実現するためには、適切な工程表に沿った施工を行うことが基本です。

段取りは、この工程表に基づき、計画通り施工しなければならない作業の流れを読むことから始まります。 

その後、当該作業に必要な人員や車両、資材の手配の確認を行います。複数の作業班がいる場合は、相互の侵入経路や作業スペースの調整も必要です。

こうすることで、いわゆる「段取り待ち」を最小限に抑えることができて、作業者の動きに無駄がなくなります。その結果、現場の効率や生産性は上がり、工程表通りの施工が実現できます。

スムースでストレスのない現場

適正な段取りが行われる現場は、現場の作業者にとってもスムースでストレスの少ない現場となります。

このような段取りのメリットを理解している作業者は、施工管理の段取りに的確に対応するために現場の整理整頓や清掃を行うようになります。

工具や機器は、施工管理の指示があれば、いつでもすぐに持ち出せるように整理整頓されます。清掃は行き届き、手元足元の動きの支障になるゴミや不要物、視認性を低下させる汚れや乱れも少ないです。 

その結果、段取りのいい現場は、スムースでストレスのない現場となるのです。

トラブルに適切な対処をする 

段取り力が身についている施工管理の現場は、作業が滞りなく進行するのでトラブルが発生するリスクは低いです。しかし、予測できないトラブルや軋轢が発生するのも建設現場の特徴です。 

そういうトラブルが発生したときも、段取りのために作業の流れが完全に頭に入っているので、適切な対処が可能になります。 

トラブル対処のために、どの作業を中断し、どのくらい労務や時間を割けばいいのか判断がつきやすいからです。いくつかの作業を明日以降に持ち越したとしても、遅れを取り戻すための段取りの軌道修正も楽にできます。

トラブルに適切な対処をするという点においても、施工管理の段取り力は重要なのです。

施工管理の段取り

施工管理の段取りによって、現場に無駄な動きがなくなり、スムースに回るようになります。施工管理が適切な段取りを行うために必要なことを5つのポイントで具体的に解説します。

施工計画を理解し把握する

現場の段取りをするときに必要なのは、施工当日の作業の流れの把握だけではありません。担当する工事の全体像と目標を頭に入れておく必要もあります。 

工事の全体像や目標を把握していないと、本来の計画とは違う結果を求めたり、間違った段取りをしたりすることに繋がるからです。 

工事の全体像や目標を理解するために欠かせないのが、施工計画書です。施工計画書は、工事全体の計画をまとめたもので、工程表や実行予算、品質基準、安全対策など幅広い内容を網羅しています。

また、現場の規模が大きく複数の協力(専門工事)会社が入場する場合は、各協力会社から提出される施工要領書にも目を通しておくことが必要です。

常に問題意識を持って臨む

施工管理は、段取りの精度を高めるために、問題意識を持って臨むことが求められます。特に、施工管理としての経験が浅い時期は、的確な段取りのやり方が身についていないのでなおさらです。 

問題意識とは、今やろうとしていることに対して「これで間違いないか」「より効率的なやり方はないか」など、主体的な立場で常に再確認するという意識です。 

実際の現場の経験を積み重ねることで、段取りの精度は自然に上がっていくものです。ただし、問題意識を持って現場に臨む施工管理は、経験から習得する内容もスピードも格段に違ってきます。

現場を指導しながら先を読む

施工管理は、現場を巡回して指導・監督しながら現状を把握し、一歩先を読んで次の施工の段取りをすることが必要です。 

施工管理にとって重要な仕事の一つである現場巡回では、安全や品質、工程、環境などの観点から現場を精査して、問題があれば迅速に対処することが求められます。同時に、工事写真や日報を整理したり、図面の修正をしたりなどの書類をまとめていく作業もあります。 

このような忙しさの中でも、工程表に沿った次の作業の段取りを怠るわけにはいきません。現場巡回によって把握した最新の現場状況を踏まえて先を読み、効率的な段取りを組んでいくことが求められます。

段取りをシミュレーションしてみる

自分の中で一通りの段取りができたら、それをシミュレートしてみることが大切です。このとき、実際の現場や作業者の状況を思い描きながらやるのが上手くやるコツです。 

例えば、クレーンを使った荷揚げ作業であれば、荷物の搬入経路やスペースは問題ないか、各作業班の分担をどうするか、安全作業のためには何が必要かなどを実際の状況に当てはめてシミュレーションしてみることです。 

このように順序だてて想定していくと、一度にすべての荷物の搬入は無理だとか、別の区画の作業の支障になりそうだなどの問題点が浮かび上がってきます。この問題点を調整することで、段取りの精度は上がっていきます。

リーダーシップを発揮して調整

施工計画書や工程表に基づいて段取りを組み、シミュレート後の調整も完了したら、後は段取り通りに施工を指導・監督していくだけです。施工の過程で発生する軽度の行き違いは、リーダーシップを発揮し調整して現場を前に進めましょう。 

工事内容を主体的に把握して最終的な現場の目標を理解し、日々の現場巡回と問題意識を積み重ねている施工管理のリーダーシップに対して、現場作業者や協力会社従業員は前向きに協力してくれるはずです。

段取り力を高める方法

ここでは、施工管理にとって重要なスキルの一つである、段取り力を高める方法について説明しますので参考にしてください。

目標・目的を明確にする

段取り力を高める方法の代表的なものに、常に自分の中で目標や目的を明確にしておくということがあります。この作業は何のために行うのか、結果としてどんな状態になるのか、いつまでに作業を完了しておかなければならないのかなどを常に意識として持っておくことが重要です。

これまでに施工してきた同様工事や作業の経験から、どの作業が難しく、どうやったらうまくいったのかを想起してみることも大切になります。 

設計図書や仕様書、過去の実績などから、その作業の難易度を判断し、それに見合った準備を心がけることで段取り力の精度は上がっていきます。

優先順位を決めて動く

建設現場の段取りを検討するとき、一連の作業を最小単位のタスクの集まりとして整理し、タスクの優先順位を決めて段取りを組むことが多いです。例えば、Aというタスクを完了させてからBというタスクに移れば、作業の関連性から見て効率的に作業がはかどるなどとして優先順位をつけていくのです。

さらに、AとBの作業が順調に進んで、CやDに移るときには、資材の追加や別の工具が必要になるなどの機転を利かせて段取りします。 

このように、作業をタスクという最小単位に分割して優先順位を考えることを習慣づけると、段取り力が自然と身についていきます。

作業の手順を可視化する

業務全般の効率化でよくいわれる「可視化」ですが、段取り力を高めるということにも有効です。可視化といっても難しいことではなく、作業の手順をリストアップしたり、作業内容を理解するための資料を用意したりすることです。 

口頭だけでなく可視化することによって、その段取りが必要となる合理的な理由が、自分だけでなく現場関係者全体に明瞭に伝わります。

竣工という目標に向かって現場を動かしている関係者は一つのチームです。チーム全体で段取りを同様に共有するために作業手順の可視化は欠かせません。 

慣れないうちは、可視化に時間がかかるかもしれませんが、身に付いてしまえば段取り力は格段にレベルアップしているはずです。

適切なスケジュールを組む

不測のトラブルが日常的に起きる建設現場では、全体工期だけでなく、中・短期のスケジュール管理も重要です。工期の厳守を達成するためには、スケジュールを日々計画通りにこなしていくということがベースになります。 

過不足なく適切なスケジュールがあれば、そのスケジュールに基づいた段取りを組むことで計画の達成は可能です。そのため、適切なスケジュールを組むことは、段取りの成否に直結することになります。 

段取り力を高めるためにも、中・短期の工程作成時において適切なスケジュールを組むことに慣れておきましょう。

リスクマネジメントを行う

日々の現場の動きの骨組みとなる段取りには、リスクマネジメントという視点も必要になります。リスクマネジメントとは、建設現場で想定されるリスクを事前に把握して対策を行うことです。 

作業の段取りを組むには作業内容を把握しますが、その際、そこに潜む危険も押さえておく必要があります。建設業では、小さな危険が重大事故に繋がるケースが多いため、どんな危険も見逃せません。 

特に、施工に伴う車両や建設機械の動線や施工範囲にリスクはないか、火気や有機溶剤などの危険物は必要になるかなどのチェックは必須です。

リスクマネジメントを考慮した段取りがスムースに行えるようになれば、段取り力は大きくステップアップしているといえます。

現場ポケットの紹介

現場管理に必要な機能を網羅しているアプリ「現場ポケット」は、シンプルな構成で画面デザインやボタン配置が見やすく、操作性も高いことで評価を得ています。 

初期費用無料でランニングコストは基本11,880円(税込)/月というお手頃価格なのに、現場作業の段取りをサポートしてくれるさまざまな機能を備えたアプリです。 

オプション費用は一切かからず、アカウント数・データ容量、現場登録数が無制限で、2ヶ月間の無料期間もあります。リアルな現場状況の把握を容易にし、段取りを組む際にも有効な現場ポケットの主な機能について紹介します。

現場ポケットと施工管理の段取り

現場ポケットは、施工管理に特化したアプリであり、施工管理が日々の作業の段取りを組む際のサポートにも有効です。 

シンプルで使い勝手の良い日報機能や報告書機能で、過去の作業データを簡単に確認できるので、過去の状況を参考に先を読む段取りにはうってつけです。 

トーク機能を活用すれば、可視化した段取りを写真や図面付きのメッセージで簡単に工事関係者全員と共有可能となります。また、日報機能は、現場別・作業者別の勤怠の個別集計ができるので効果的な人員配置に役立ちます。 

現場ポケットは、施工管理を効率化して業務時間を大幅に短縮できますから、残りの時間で段取りを組むことに集中することができるでしょう。

現場ポケットのその他の機能

現場ポケットには、現場ごとにグループを組むトーク機能、現場で直接作成できる日報機能、短時間で写真付き報告書が作成できる報告書作成機能の他、工事写真が時系列、現場ごとに自動で保存されるアルバム機能もあります。 

アルバム機能は、トーク画面に工事写真を投稿することで、アルバムへ自動保存される優れた機能です。工事写真は、クラウド上で保存されるので、PCやモバイル端末からリアルタイムで確認できます。 

これまでの無料メッセンジャーアプリでは、データ保存や情報検索に難点がありましたが、現場ポケットではすべて解消されています。

まとめ

建設業の施工管理における段取りについて、以下の内容で解説しました。 

  • ・施工管理における段取り力の必要性
  • ・施工管理の段取りの具体的な内容
  • ・施工管理の段取り力を高める方法
  • ・施工管理の段取りをサポートするアプリ「現場ポケット」の紹介

現場作業を適切に進めるための骨組みとなり、スムースに稼働してストレスがない現場を実現する段取り力は、施工管理が身につけておくべきスキルの一つです。 

段取りがしっかりしていれば、安全で無理や無駄のない現場となり、施工管理だけでなく現場で働く作業者にとっても大きなメリットとなります。 

そのためには、現場ポケットのような現場管理に特化したアプリの活用が欠かせません。


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