【建設業】出勤簿の作成方法を解説!テンプレートについても紹介します。

2025-03-03

【建設業】出勤簿の作成方法を解説!テンプレートについても紹介します。

建設業における出勤簿の作成は、労働時間の適正な管理や法令遵守のために欠かせません。適切な出勤簿を作成することで、労務管理の効率化や労働者の健康管理に役立ちます。

本記事では建設業に特化した出勤簿の作成方法と、活用できるテンプレートについて解説します。これにより、労務管理の精度向上と業務効率化が期待できるでしょう。

労働者の勤怠管理を行うために欠かせない出勤簿、この記事では建設業における出勤簿の作成方法や、作成に便利なテンプレートをご紹介します。

建設業の出勤簿とは?

建設業における出勤簿とは、労働者の労働日数や出退勤時刻などを記録する帳簿のことです。これは労働基準法により、すべての企業に作成と記帳が義務付けられていて、「法定三帳簿」の1つとされています。

出勤簿には、各労働者の出勤日、労働日数、日別の労働時間数、時間外労働や休日労働、深夜労働の日時と時間数などを記載する必要があります。

建設業界では現場への直行直帰が多く、従来の手書きの出勤簿やタイムカードでの勤怠管理が難しい場合があります。そのため、出勤簿アプリなどのデジタルツールを活用することで、正確な勤怠管理が可能になります。

出勤簿は労働者の労働状況を正確に把握し、適切な賃金計算や労務管理を行うための重要な書類です。また、労働基準法第109条に基づき、5年間の保存義務があります。

出勤簿の目的

建設業界における出勤簿の主な目的は、「労務管理」「賃金管理」「安全管理」の3つです。

これらの目的を達成することで、企業は適切な労働環境を維持し、従業員の安全と公正な報酬を確保できます。

それぞれの目的について解説していきましょう。

労務管理

出勤簿は従業員の労働時間や出勤状況を正確に記録するための基本的なツールです。

労働基準法では、「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿の作成」と保存が義務付けられており、これらを適切に管理することで、労働時間の適正な把握が可能になります。

賃金管理

出勤簿の記録を基に、各従業員の労働時間や勤務日数を把握し、正確な給与計算が行われます。

特に建設業界では、時間外労働や休日労働、深夜労働などが発生しやすいため、これらを正確に記録することで、適切な割増賃金の支払いが可能となります。

安全管理

出勤簿は安全管理の面でも重要な役割を果たします。

従業員の労働時間を可視化することで、過重労働を防止し、労働災害のリスクを低減できます。また、現場での入退場記録を管理することで、緊急時の人員把握や安全対策の強化にもつながります。

出勤簿に最低限必要な項目

業務を遂行する上で、必要な情報が欠けているとミスやトラブルに繋がってしまいます。

出勤簿に最低限記載すべき項目を理解し、適切に管理することが重要です。

出勤簿に最低限必要な項目は下記の6つがあります。

  1. 1.従業員情報
  2. 2.始業・終業時刻
  3. 3.休憩時間
  4. 4.時間外労働時間
  5. 5.休日労働時間
  6. 6.深夜労働時間

これらの項目を正確に記載することで、労働時間の適正な把握と賃金計算が可能となり、労働基準法の遵守にもつながります。

特に建設業界では、現場ごとに勤務状況が異なるため、詳細な記録が求められます。

それぞれどのような情報が求められるか、解説していきましょう。

従業員情報

各労働者の情報を記録します。

従業員の情報として必要なものは氏名、社員番号、所属部署などです。これらの情報を正確に入力することで、後の集計や分析がスムーズになります。

始業・終業時刻

各労働者の始業および終業の時刻を記録します。

これにより、実際の労働時間を正確に把握できます。

時間外労働など、正規の労働時間以外は分けて記載する必要があるため、注意しましょう。

休憩時間

労働基準法では労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えることが義務付けられています。

そのため、出勤簿には休憩の開始・終了時刻を明記し、適切な休憩が取られているか確認します。

労働基準法では法定労働時間として、「1日8時間、週40時間」が定められており、これを超える労働を行った場合、その時間数を記録します。

時間外労働には割増賃金の支払い義務があるため、不当な労働が行われていないか、正確な記録が必要です。

休日労働時間

法定休日に労働が行われた場合、その日付と労働時間を記載します。

休日労働にも割増賃金の支払いが求められます。

深夜労働時間

22時から翌5時までの間に行われた労働を深夜労働とし、その時間数を記録します。深夜労働には通常の賃金に加えて割増賃金が必要です。

出勤簿の作成方法

出勤簿の作成には以下の手順に沿って行われます。

  1. 1.フォーマットの準備
  2. 2.従業員ごとに勤務日の記録
  3. 3.集計

エクセルの関数やマクロを活用することで、集計作業の効率化が図れます。

また、ネット上で公開されているテンプレートを活用することで簡単に出勤簿を作成することができるでしょう。

他にも、建築現場の様々な業務に活用することができる現場アプリというツールが存在します。

これらツールを活用することで、効率的に出勤簿の作成が可能になるでしょう。

出勤簿の作成手順について詳しく解説していきます。

フォーマットの準備

まず、出勤簿のフォーマットを準備します。

エクセルなどの表計算ソフトを活用すると、計算式の導入やデータの整理が容易になります。

インターネット上には、建設業向けの出勤簿テンプレートが多数公開されており、これらを活用することで効率的に作成できます。 

また、現場管理アプリであれば最初から用意されている出勤簿のフォーマットに情報を入力するだけで良いため、準備を大幅に簡略化することができるでしょう。

従業員ごとに勤務日の記録

次に各従業員の情報と、勤務日ごとの情報を詳細に記録します。

具体的には、前述したものと同じ、下記の項目を入力します。

  • ・従業員氏名・社員番号・所属部署
  • ・出勤日と労働日数
  • ・始業・終業時刻および休憩時間
  • ・時間外労働の記録
  • ・休日労働の記録
  • ・深夜労働の記録

これらの項目を網羅することで、労働時間の適正な把握が可能となります。 

集計

月末や所定の期間終了後、各項目のデータを集計します。

人力の計算ではヒューマンエラーの可能性が高くなるため、エクセルの関数やマクロを活用することで、労働時間の総計や時間外労働の合計などを自動的に算出できます。

また、現場管理アプリであれば集計のために必要な機能を搭載している場合があり、活用することで集計作業を効率化することができるでしょう。

これにより、手作業での計算ミスを防ぎ、効率的なデータ管理が可能となります。

出勤簿をエクセルで作成するメリット

建設業界における出勤簿の作成には、エクセル(Excel)を利用している企業が多く、導入コストをかけずに利用することができるというのが最大のメリットでしょう。

他にも、下記のようなメリットが存在します。

  • ・導入コストの低さ
  • ・自動計算機能の活用
  • ・カスタマイズ性の高さ
  • ・操作の容易さ

これらの利点から、エクセルを活用した出勤簿の作成は建設業界における労務管理の効率化と精度向上に寄与します。

しかし、エクセルでの管理にはデータの整合性やセキュリティの確保など、注意すべき点も存在します。そのため、適切な運用と定期的な見直しを行うことが重要であり、現在は現場管理アプリを導入する企業も増えています。

導入コストの低さ

エクセルは多くの企業で既に導入されているソフトウェアであり、追加の費用をかけずに利用できます。

そのため、新たなシステムを導入する際の初期費用やランニングコストを抑えることが可能です。 

自動計算機能の活用

エクセルには多彩な関数や計算式が備わっており、労働時間や残業時間の自動集計が容易です。

これにより、手作業での計算ミスなどによるヒューマンエラーを減らすことができ、正確な勤怠管理が可能になります。

カスタマイズ性の高さ

エクセルは企業のニーズや業務フローに合わせてフォーマットを自由に設計できます。

これにより、現場の状況や特性に応じた出勤簿を作成し、使いやすさを向上させることができます。 

エクセルは多くの人にとって馴染みのあるソフトウェアであり、基本的な操作は直感的で簡単です。

そのため、あらかじめテンプレートが用意されていれば、特別なトレーニングを受けることなく、誰でも迅速に出勤簿の作成や管理を始められます。 

出勤簿をエクセルで作成するデメリット

デメリットについて記述をお願いいたします。

建設業界において、エクセル(Excel)で出勤簿を作成することは一般的な反面、エクセル特有のデメリットなども存在しています。

具体的なデメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • ・正確な数値かわからない
  • ・労働基準法に違反している可能性がある
  • ・集計に時間がかかる
  • ・セキュリティ面に不安がある

これらのデメリットを解消するためには、現場管理アプリの導入が効果的です。これらのアプリは、勤怠情報の自動集計やリアルタイムでのデータ共有が可能であり、入力ミスや不正の防止、法令遵守の強化、セキュリティの向上など、多くの利点があります。

適切なツールの導入により、労務管理の効率化と精度向上を図りましょう。

以下ではデメリットについて個別に解説していきます。

正確な数値か分からない

エクセルでの出勤簿管理は手入力が主流であり、そのため入力ミスが発生しやすくなります。

特に、従業員数が多い場合や勤務形態が複雑な場合、ミスのリスクは高まります。また、データの改ざんが容易であり、意図的な不正が行われる可能性も否定できません。 

労働基準法に違反している可能性がある

エクセルでの勤怠管理は、自己申告制とみなされることがあり、労働基準法で求められる客観的な労働時間の把握が難しい場合があります。その結果、法令違反と判断されるリスクが生じます。 

集計に時間がかかる

エクセルの数式や関数に誤りがあると、労働時間や給与計算において重大なミスが発生する可能性があります。特に、残業時間や深夜労働の計算は複雑であり、手動での管理には限界があります。 

セキュリティ面での不安

エクセルファイルは、適切なセキュリティ対策を講じない限り、不正アクセスやデータの流出のリスクがあります。特に、USBメモリなどでのデータ持ち運びや、パスワード管理の不備による情報漏洩の危険性が存在します。 

出勤簿の作成には現場管理も活用できる

建設業界における出勤簿の作成は、従来の紙やエクセルを用いた方法が一般的でした。しかし、これらの方法では、直行直帰や複数現場を担当する作業員の勤怠管理が煩雑になり、正確な労働時間の把握や集計に多大な労力が必要となります。

その結果、ヒューマンエラーや不正確なデータ入力のリスクが高まります。

このような課題を解決するために、現場管理アプリを導入する現場が増えています。

現場管理アプリを導入することで、作業員はスマートフォンやタブレットを使用して、出退勤時刻をリアルタイムで入力できます。これにより、勤怠情報が即座にクラウド上に集約され、管理者は全作業員の勤務状況を一元的に把握することが可能となります。

さらに、現場管理アプリはGPS機能を備えているものもあるため、作業員の位置情報と連動した打刻が可能です。これにより、直行直帰の多い建設業界でも、正確な労働時間の記録が容易になります。また、勤怠データの自動集計や給与計算の効率化も実現でき、管理部門の負担軽減につながります。

現場管理アプリの導入により、出勤簿の作成が効率化され、労務管理の精度が向上します。これにより、労働基準法の遵守や労務リスクの低減が期待できます。

テンプレートのご紹介

建築業において利用することができるテンプレートをご紹介します。

今回ご紹介するテンプレートはビズ研」で公開されている出勤簿テンプレートです。

手書き・エクセルのどちらにも対応したテンプレートで、用途に応じた豊富な種類が特徴です。

具体的な表ごとの特徴なども記載されているため、目的に合致したテンプレートを見つけることができるでしょう。

現場の出勤簿をつけるなら現場ポケット

現場管理アプリの利用を検討している、気になっているという方におすすめの現場管理アプリとして、「現場ポケット」をご紹介します。

現場ポケットは、出勤簿表の作成や報告書類などの書類作成機能、PDFへの変換など、多彩な機能を一つのアプリで利用できる現場管理ツールです。

2025年1月時点で、導入実績は35,000人以上、契約更新率は約95%と、高い実績を誇るアプリです。

直感的な操作性で簡単に報告書類を作成でき、1つの現場だけでなく、複数の現場を一覧形式で確認することができるため、複数現場を担当している方でも問題なく利用できます。また、スマートフォンやタブレット1つで、どこからでも進捗管理が可能となり、作業効率を大幅に向上させ、書類作成にかかる時間を短縮できます。

また、現場ポケットの報告書類作成機能であれば、テンプレートを使用した報告書の作成における、現場や案件の内容に応じた項目の追加修正が必要というデメリットも、簡単に解決することができます。

さらに、アカウント数やデータ容量の追加といった追加課金がなく、年間契約費用のみで利用できる点も魅力です。利用料金は税込みで11,880円/月で活用できます。

出勤簿表の作成を効率化したい方や現場管理アプリを試してみたい方は、ぜひ「現場ポケット」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

以上、建築業における出勤簿について解説しました。

今回の記事の内容をまとめると下記の通りになります。

  • ・出勤簿は法定三帳簿の1つであり、労働者の勤怠管理に欠かせないもの
  • ・出勤簿を作成する目的は「労務管理」「賃金管理」「安全管理」などがある
  • ・出勤簿に必要な最低限の項目は「従業員情報」「始業・終業時刻」「休憩時間」「時間外労働時間」「休日労働時間」「深夜労働時間」の6つ
  • ・出勤簿の作成は主にエクセルが使われている
  • ・ネット上のテンプレートを活用することで簡単に作成することができる
  • ・現場管理アプリなら、現場で出勤簿の記入が可能

出勤簿の作成を効率よく、そしてヒューマンエラーを減らし間違いが起きないようにしたいという方には、現場管理アプリの利用をおすすめします。


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