週間工程表とは?作成方法をわかりやすく解説

2025-02-17

週間工程表とは?作成方法をわかりやすく解説

週間工程表は、工事やプロジェクトの進行を一週間から二週間の短期間に焦点を当てて詳細に計画・管理するための工程表です。

特に短期工事や、長期工事を細分化して管理する際に活用されます。

この記事では、週間工程表の概要、作成目的、作成方法、記入すべき項目、作成時の注意点について詳しく解説いたします。

週間工程表とは

週間工程表とは、文字通り一週間ないし二週間という期間を定めて作成された工程表のことを指します。あくまで期間を区切った工程表というだけであって、内容そのものは全体工程表と同一のものが多く、長期工事においては全体工程表を期間ごとに区切ることで、より詳細に内容を把握するための工程表として活用されることがあります。

また、これを月間版とも言える月間工程表も存在しており、こちらも週間工程表と同様に一ヶ月と決められた期間内の工程をまとめた工程表になります。

一般的に期間ごとによる工程表は以下のようなものがあります。

  • ・全体工程表
    着工から竣工までの主要工事を記載した工程表
  • ・年間工程表
    全体工程表の中で、一年間ごとに工程を切り取った工程表
  • ・月間工程表
    全体工程表の中で、一ヶ月ごとの工程を切り取った工程表
  • ・週間工程表
    全体工程表の中で、一週間から二週間ごとの工程を切り取った工程表

上記の工程表を組み合わせて活用することで、工事全体の流れから各期間の詳細な作業内容までを効果的に管理することが可能です。

週間工程表を作成する目的は?

週間工程表を作成する目的は、主に以下の3つに分類できます。

  1. 1.短期工事であるため、全体工程表を作らなくてもいい
  2. 2.工程ごとの詳細なスケジュールを把握したい
  3. 3.複数同時に進行する工程を管理したい

それぞれの目的について解説していきましょう。

短期工事における週間工程表

工事期間が1〜3週間程度の短期工事では全体工程表を作成せず、週間工程表のみで対応することが一般的です。

例えば、リフォーム工事などの小規模な現場では週間工程表が全体工程表の役割を果たします。 

週間工程表は、全体工程表と比較して各工程の詳細が明確に記載されているため、工程ごとの内容を把握しやすくなります。これにより、短期間での工事進行を効率的に管理できます。

工程ごとの詳細なスケジュールを把握できる

週間工程表は期間を限定している分、各工程の作業内容について詳細な記載が可能です。工程表は様々な種類があり、全体的な工程を把握するのに適したものから、作業ごとの内容、進捗の把握に適したものなどがあります。

全体工程表とは別の種類の工程表を使用することで、より詳細なスケジュールを把握することができます。

複数同時に進行する工程を管理することができる

工事現場では、複数の工程が同時並行で進行することが多々あります。全体工程表では、全ての工程を一度に確認できますが、同時に行われる工程を個別に管理するのには向いていません。

そのため、必要な工程ごとに分けられた週間工程表を用意することで、複数の同時進行する業務を効率的に管理できます。これにより、各工程の進捗状況やリソースの割り当てを適切に把握し、調整することが可能となります。

週間工程表に記載すべき項目

週間工程表において記載するべき項目は、いくつかあります。工程表の種類にもよりますが、一般的には下記の項目を記載する必要があります。

また、必要項目に関しては国土交通省が公開している週間工程表を参考にすると、より理解しやすいでしょう。

  • ・工事名・現場名
  • ・日付
  • ・関係者名
  • ・工事の予定
  • ・次週以降の予定
  • ・資料の有無

項目ごとにそれぞれ解説していきましょう。

工事名・現場名

まず、週間工程表がどの工事や現場に対応しているのかを明確にするために、工事名や現場名を記載します。

これにより、他の工程表と混同することを防ぎ、ファイリングや情報共有の際に役立ちます。

特に、クライアントや関係者が工程表を確認する際、工事名や現場名が明記されていないと、信頼性に欠ける印象を与える可能性があります。

日付

週間工程表は特定の期間を対象とするため、その期間を明確に示す日付の記載が必要です。

これにより、どの週の工程を示しているのかが一目で分かり、スケジュール管理が容易になります。

日付の記載がないと、工程表の適用期間が不明確となり、現場での混乱を招く恐れがあります。

関係者名

工事に携わる主要な関係者の名前を記載します。具体的には、現場責任者(現場代理人)、管理事務所の担当者、監督職員などが該当します。

これにより、各作業や工程における責任の所在が明確になり、コミュニケーションが円滑に進みます。特に、現場責任者の名前は工程表の目立つ位置に記載することが一般的です。

工事予定

週間工程表の中心となる部分で、その週に行われる工事の詳細な予定を記載します。各工程の開始日、終了日、作業内容、担当者、必要な機材や材料の搬入日、検査日などを具体的に記載することで、作業員間の情報共有が促進され、現場の理解度が向上します。

また、進捗状況を把握できるように、日ごとの作業進捗率を視覚的に示すことも効果的です。

次週以降の予定

現在の工事が今週で完了しない場合、次週以降の大まかな予定も記載しておくと便利です。

これにより、作業員は今後の工程を把握し、現在の作業の優先度や緊急性を判断しやすくなります。特に、今週中に完了させるべき工程や、来週以降に持ち越せる作業を明確にすることで、効率的な作業計画が立てられます。

資料の有無

工事に関連する資料や、クライアントから提供されたドキュメントの有無を記載します。必要な資料がある場合、工程表にその情報を明記することで、現場での確認漏れを防ぎ、作業の円滑な進行をサポートします。

例えば、設計図面、仕様書、安全指示書などが該当します。

週間工程表の作成方法

週間工程表の作成方法について解説していきましょう。基本的には全体工程表の一部を抜粋し、より詳細な記載を行ったものが週間工程表になります。

週間工程表は以下の手順で作成することができます。

  1. 1.プロジェクトの洗い出し
  2. 2.必要日数の計算・設定
  3. 3.人材や機材の振り分け
  4. 4.工程表の種類の選定
  5. 5.作成に使用するツールの選定
  6. 6.工程表の作成

それぞれの手順について解説していきましょう。

プロジェクトの洗い出し

まず、全体工程表や月間工程表を基に、対象となる週に実施する工事内容を詳細に洗い出します。この際、各工程を細分化し、具体的な作業項目としてリストアップすることが重要です。

特に、全体工程表などでは書き込む事ができなかった工程ごとの詳細な手順や情報を記載することができるため、詳細な情報を抜けなく記載することができれば、効率よく作業を進めることができるでしょう。

また、マイルストーンを工程ごとに設定しておくことで、作業の進捗状況を正確に把握できるだけでなく、作業の抜けや漏れを事前に気づく事ができるでしょう。

必要日数の計算・設定

各作業項目に対して必要な日数を設定します。全体の納期から逆算し、各工程に適切な期間を割り当てます。ただし、天候不良や予期せぬトラブルによる遅延を考慮し、スケジュールには余裕を持たせることが推奨されます。

一般的には、想定日数に数日間の余裕を加えることで、柔軟な対応が可能となります。逆に余裕の無い日程であったり、一週間近く遅れが発生するようなトラブルが発生した際には、全体工程表から予定の見直しと工程表の再作成が必要になるでしょう。

人材と機材の振り分け

各工程に必要な作業員や業者・機材・資材を適切に割り当てます。特定の作業員に負担が集中しないよう配慮し、バランスの取れた配置を心掛けます。

また、機材や資材の搬入・搬出のタイミングを明確にし、関係者間で共有することで、現場での混乱を防止します。

工程表を選定する

週間工程表を作成する際には、プロジェクトの特性や目的に応じて適切な工程表の形式を選択します。主な工程表の種類と特徴は以下の通りです。

  • ・バーチャート工程表
    各作業の開始日と終了日を棒グラフで表し、全体の流れを視覚的に把握できる
  • ・ガントチャート工程表
    バーチャートと近い形で、各作業の進捗状況や依存関係も視覚的に把握できる
  • ・グラフ式工程表
    作業の進捗を曲線で表し、全体の進行状況を把握できる
  • ・出来高累計曲線
    計画全体の進捗度合いを視覚的に把握しやすい
  • ・ネットワーク工程表
    各作業の順序や依存関係をネットワーク図で示す事で視覚的に把握しやすい

この中で週間工程表に適しているものは、作業ごとの進捗率を把握することができるガントチャート工程表や、バーチャート工程表とガントチャート工程表の特徴を有しているグラフ式工程表、工程ごとの関係性を視覚的に把握することができるネットワーク工程表が挙げられます。

作成に使用するツールの選定

工程表の作成に用いられるツールは主に紙媒体・エクセル・現場管理アプリの3つです。

それぞれの特徴とメリットやデメリットを解説していきましょう。

紙媒体

工程表のテンプレートを印刷し、手書きで情報を記入します。

コピーすればいくらでも現物を用意できるため、現場での共有が容易で、追記する程度であれば簡単な修正も手軽に行えますが、紛失のリスクや大幅な修正時には工程表の作り直しが必要というデメリットが存在します。

エクセル

多くのPCに導入されている表計算ソフトで、テンプレートを活用することで効率的に工程表を作成できます。数式や条件付き書式を活用することで、進捗管理や視覚的な表現が容易になるというメリットがあります。

しかし、一から工程表を作成したり、変数を導入する際にはエクセルに対する知識が求められる他、携帯端末よりもPC環境での運用に適しているため、現場にPCを用意するか、オフィスと現場を行き来する必要があります。

現場管理アプリ

スマートフォンやタブレットで利用可能なアプリで、工程表の作成・管理、進捗状況のリアルタイム共有などが可能です。クラウド上でデータを管理するため、紛失のリスクが低く、関係者間での情報共有がスムーズに行えるというメリットがあります。

しかし、導入コストがかかるというデメリットがあります。

工程表の作成

選定したツールを用いて、実際に週間工程表を作成します。各工程の開始日・終了日、担当者、必要な機材・資材、検査日程などを詳細に記載しましょう。

作成後は、関係者全員で内容を確認し、必要に応じて修正・調整を行います。また、工事の進行に伴い、工程表を随時更新し、最新の情報を共有することが重要です。

以上の手順で週間工程表を作成することで、工事の進捗管理がより効果的になり、関係者間の連携も強化されます。適切な工程表の作成と運用は、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。

現場ポケットの紹介

現場管理アプリの利用を検討している、気になっているという方におすすめの現場管理アプリとして、「現場ポケット」をご紹介します。

現場ポケットは、工程表の作成やPDFへの変換など、多彩な機能を一つのアプリで利用できる現場管理ツールです。

2025年1月時点で、導入実績は35,000人以上、契約更新率は約95%と、高い実績を誇るアプリです。

直感的な操作性で簡単に工程表を作成でき、1つの現場だけでなく、複数の現場を一覧形式で確認することができるため、複数現場を担当している方でも問題なく利用できます。また、スマートフォンやタブレット1つで、どこからでも工程表の作成や進捗管理が可能となり、作業効率を大幅に向上させ、出面管理にかかる時間を短縮できます。

短期工事用の週間工程表などの作成にも対応しており、複数の工程表を管理できる機能を活用することで、全体工程表や月間工程表と共に週間工程表を活用することも可能です。

さらに、アカウント数やデータ容量の追加といった追加課金がなく、年間契約費用のみで利用できる点も魅力です。利用料金は税込みで11,880円/月で利用可能です。

工程表の作成を効率化したい方や現場管理アプリを試してみたい方は、ぜひ「現場ポケット」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

以上、週間工程表について解説しました。

今回の記事の内容をまとめると以下の通りになります。

  • ・週間工程表は短期的な工事や、作業の詳細を把握するために用いられる
  • ・複数の工程を同時に進行する際に、工程ごとに週間工程表を用意することで効率的に作業ができる
  • ・紙媒体は現場で共有しやすいが紛失したり、スケジュール変更に対応しづらい
  • ・エクセルはPCがないと使いづらく、一から作るには知識が必要
  • ・現場管理アプリはスマートフォンやタブレットなどを使って現場で利用できるが、コストがかかる

現場管理アプリは導入コストがかかる反面、工事現場においてあらゆる業務を効率化することができる機能が集約されており、人件費はもちろん業務効率化による利益率向上も期待できるため、ぜひ一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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