新築工事における工程表とは?作り方や手順を紹介

2025-03-07

新築工事における工程表とは?作り方や手順を紹介

新築工事における工程表はプロジェクトの円滑な進行と納期遵守に欠かせない重要なツールです。目的に応じた適切な工程表を作成することで、作業の効率化やトラブルの未然防止が期待できます。

本記事では、工程表の基本的な役割や作成手順、活用方法について解説します。

これにより、建設プロジェクトの管理がより効率的になり、関係者間のスムーズなコミュニケーションが図れるでしょう。

工事現場において作業の工程や進捗を確認する上で欠かすことができない工程表。

この記事では、新築工事における工程表の作成方法や手順について解説を行います。

新築工事の工程表とは?

新築工事における工程表とは、着工から竣工までの各作業内容とその期間を時系列でまとめたスケジュール管理表です。

この表を作成することで、工事全体の進捗状況や各工程の詳細を一目で把握でき、適切な人員配置や資材の手配が可能になります。結果として、工事の遅延防止や業務効率化に寄与します。

工程表には全体のスケジュールをまとめた「総合工程表」や、特定の期間に焦点を当てた「月間工程表」「週間工程表」など、用途に応じた種類があります。

工程表を作成することで納期管理やコスト削減、トラブルの未然防止、お施主様との信頼関係構築など、多くのメリットが得られます。そのため、新築工事において工程表は欠かせないツールと言えるでしょう。

新築工事でなぜ工程表を作成するのか?

工程表を作成する主な目的は、以下の3つが挙げられます。

  1. 1.納期の遵守
    工程表を用いることで、工事・作業の予定や進捗を可視化でき、納期の遵守につながる
  2. 2.業務の効率化
    各工程の予定や進捗状況を具体的に把握することで、施工管理者は人員の配置や作業時間、進捗状況を簡単に把握でき、作業効率も向上する
  3. 3.トラブルへの対応
    急なトラブルに対応するために全体のスケジュールを把握しておくことが重要なため、工程表があるとトラブル対応が迅速になる

これらの目的を達成するために工程表の作成は欠かせません。

工程表を作成することで工事全体の進捗状況や各工程の詳細を一目で把握でき、適切な人員配置や資材の手配が可能になります。

結果として工事の遅延防止や業務効率化に寄与します。

新築工事の工程表を作成するメリット

工程表を作成する目標から見てもわかるように、新築工事を行う上で工程表を作成する事で得られる恩恵は多く存在しています。

工程表を作成する主なメリットは以下の4つに分類されます。

  • ・進捗状況の「見える化」
  • ・適切な人員配置と資材手配
  • ・トラブルの早期発見と対応
  • ・コスト管理の向上

これらのメリットがどのような影響を及ぼすか、個別に解説していきましょう。

進捗状況の「見える化」

工程表を作成することで各作業の進捗状況を視覚的に把握できます。

これにより遅延が発生している工程を早期に発見し、迅速な対応が可能となります。

適切な人員配置と資材手配

各工程の開始日や終了日が明確になるため、必要な人員や資材を適切なタイミングで手配できます。

これにより無駄な待機時間や資材不足を防ぎ、効率的な工事進行が可能です。

トラブルの早期発見と対応

工程表を活用することで工事の進捗状況をリアルタイムで把握でき、遅延や問題点を早期に発見できます。

これにより迅速な対応が可能となり、工事全体のスムーズな進行に寄与します。

コスト管理の向上

工程表を基に作業を進めることで無駄な人件費や資材費を削減できます。

適切な人員配置や資材手配によって、コスト管理が容易になり、全体の予算管理にも役立ちます。

新築工事の工程表作成方法や手順

続いて新築工事における工程表の作成方法や手順について解説を行っていきましょう。

工程表の作成には「紙媒体」「Wordやエクセルなどのツール」「現場管理アプリ」などを使用します。

今回はその中でも特に一般的なエクセルと、現場管理アプリでの作成方法を中心に解説していきましょう。

新築工事の工程表の作成方法

新築工事における工程表の作成は、プロジェクトの円滑な進行と管理に欠かせません。適切な工程表を作成することで、作業の進捗状況を把握し、関係者間の情報共有が容易になります。工程表の作成方法には、主にエクセルを使用する方法と、現場管理アプリを活用する方法があります。

エクセルを使用した工程表の作成方法

エクセルは、多くの企業で導入されている表計算ソフトであり、工程表の作成にも広く利用されています。特に、バーチャートやガントチャートといった横線式工程表の作成に適しています。

エクセルを使用した工程表の作成方法は以下の手順で行われるのが一般的です。

  1. 1.基本構造の設定
    縦軸(行):作業項目(例:基礎工事、上棟、内装工事など)を入力する
    横軸(列):開始日から終了日までの日付を連続して入力し、日付形式を設定する
  2. 2.作業期間の入力
    各作業項目に対して、開始日と終了日を入力する
    作業期間を視覚的に表現するために、セルの塗りつぶしや図形描画を使用する
  3. 3.視覚的な強調
  4. 4.セルの塗りつぶし:作業期間に対応するセルを選択し、適切な色で塗りつぶす
    条件付き書式:特定の条件に応じてセルの書式を自動的に変更することで、進捗状況や重要な日付を強調できる
  5. 5.進捗管理
    各作業の進捗状況を入力し、完了度合いに応じてセルの色やパターンを変更する
    進捗率を数値で入力し、条件付き書式を活用して視覚的に表現する
  6. 6.休日や特記事項の設定
    土日や祝日を自動的に認識し、これらの日付を異なる色で表示するように設定する
    特定の条件(例:進捗率が100%)に応じてセルの色を変更する条件付き書式を設定する

エクセルを使用した工程表の作成は柔軟性が高く、プロジェクトの特性に応じてカスタマイズが可能です。

しかし、現場で工程表を調整することが難しいため、トラブルや仕様変更などで手動での入力や更新が多い場合、手間がかかることもあります。

そのため、作成をなるべく単純化できるように、テンプレートやマクロ、関数を活用して効率化を図ることが必要になるでしょう。

現場管理アプリを活用した工程表の作成方法

近年、建設業界向けの現場管理アプリが多数登場しており、工程表の作成・管理を効率化するツールとして注目されています。

アプリ1つで複数の工程表を作成・管理することができ、工程表の種類を選ぶだけで対応した工程表を利用することができるという手軽さや、スマートフォンやタブレットといった携帯端末で利用することができるため、現場で修正や変更に対応することができます。

  1. 1.アプリの選定
  2. 2.プロジェクトの設定
  3. 3.工程表の作成
  4. 4.情報共有と更新

現場管理アプリを活用することで、工程表の作成・更新が容易になり、情報共有の迅速化やミスの削減が期待できます。ただし、導入コストや利用するための従業員への教育などを考慮する必要があります。

新築工事の工程表を作成する際のポイント

新築工事における工程表の作成は、プロジェクトの円滑な進行と管理において重要な役割を果たします。適切な工程表を作成することで、作業の進捗状況を把握し、関係者間の情報共有が容易になります。しかし、効果的な工程表を作成するためには、いくつかのポイントに注意を払う必要があるでしょう。

新築工事における工程表作成のポイントは下記のようなものがあります。

  • ・誰もが理解できる表現・用語を使用する
  • ・見やすいデザインを心掛ける
  • ・作業内容や工事場所で分類・整理する
  • ・時間単位を用途に応じて切り替える
  • ・休日情報の表示・非表示を切り替える
  • ・印刷時のレイアウトを考慮する

これらのポイントを踏まえて工程表を作成することで、プロジェクトの進捗管理がより効果的になり、関係者間の円滑なコミュニケーションが実現します。

それぞれ個別に解説していきましょう。

誰もが理解できる表現・用語を使用する

工程表は現場作業員だけでなく、クライアントや他の関係者も目にする可能性があります。

そのため、専門用語の多用は避け、誰が見ても理解できる表現や用語を使用することが重要です。これにより、コミュニケーションの齟齬を防ぎ、プロジェクトの円滑な進行に寄与します。

見やすいデザインを心掛ける

工程表は一目で内容を把握できることが求められます。

情報を詰め込みすぎず、進捗状況が確認しやすいレイアウトを心掛けましょう。色の使いすぎはかえって見づらくなるため、重要な部分の色を統一し、使用する色数を抑えることで視認性の高い工程表を作成できます。

作業内容や工事場所で分類・整理する

工程表を作成する際は作業内容別や工事場所別に分けて整理することで、誰がどのようなタスクを抱えているのか、進捗状況はどの程度かを把握しやすくなります。

情報を整理して分類することを心掛け、効率的な管理を目指しましょう。

時間単位を用途に応じて切り替える

工程表には日単位で細かい作業内容が記載されることが多いですが、管理職やクライアントなど、現場作業を直接行わない方々にとっては、週単位や月単位の工程表の方が適しています。

用途に応じて複数の工程表を用意したり、時間の単位を切り替えられるようにすることで、各関係者が必要な情報を適切に把握できます。

休日情報の表示・非表示を切り替える

工程表に土日祝日などの休日情報を記載すると全体の長さが増し、見づらくなることがあります。

必要に応じて休日情報の表示・非表示を切り替えられるように設定し、視認性を向上させましょう。

印刷時のレイアウトを考慮する

作成した工程表を印刷して掲示する場合、1枚に収められるデザインや、白黒印刷でも見やすい配色を考慮することが重要です。これにより、現場での情報共有がスムーズになります。

新築工事の工程表を作成する際に気を付けること

新築工事における工程表の作成は、工事全体の進行を円滑に進めるために非常に重要です。しかし、作成にあたっては注意すべき点がいくつか存在します。適切な工程表を作成することで、工事の効率化やトラブルの未然防止につながります。

  • ・理解しやすいデザインの採用
  • ・工程表の種類と特徴の理解
  • ・共有可能な設定とルールの策定
  • ・修正に時間をかけすぎない

理解しやすいデザインの採用

前述した通り、工程表は多くの関係者が閲覧し、共有する資料です。

そのため、誰が見ても理解しやすいデザインを心掛けることが重要です。具体的には、色分けや表・グラフを用いて視認性を高め、専門用語の使用を控えることで、誰でも理解しやすい工程表を作成できます。

工程表の種類と特徴の理解

工程表にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。例えば、バーチャート工程表は縦軸に作業内容、横軸に工事日程を記入し、複数の作業内容と作業期間を可視化できます。

一方、ネットワーク工程表は作業内容や施工の順序を番号・矢印で示し、複数の工種が存在する現場において、作業同士の関係性やプロセスを可視化できます。

これらの特徴を理解し、工事の規模や目的に応じて適切な工程表を選択することが大切です。

共有可能な設定とルールの策定

デジタル形式で工程表を作成する場合、関係者全員がアクセスできるよう、適切な共有設定を行うことが必要です。

また、工程表の管理や共有に関するルールを事前に策定しておくことで、情報の行き違いやトラブルを防止できます。

例えば、工程表の更新時には関係者全員に通知する、閲覧権限を明確にするなどのルールを設けると効果的です。

修正に時間をかけすぎない

工程表は工事の進行に伴い、変更や修正が必要になる場合があります。しかし、修正に過度な時間を費やすと、他の業務に支障をきたす可能性があります。

そのため、修正が容易なツールやフォーマットを選択し、効率的に更新できる体制を整えることが重要です。

現場ポケットで新築工事の工程表作成時間を短縮

現場管理アプリの利用を検討している、気になっているという方におすすめの現場管理アプリとして、「現場ポケット」をご紹介します。

現場ポケットは、工程表の作成や報告書類などの書類作成機能、PDFへの変換など、多彩な機能を一つのアプリで利用できる現場管理ツールです。

2025年1月時点で、導入実績は35,000人以上、契約更新率は約95%と、高い実績を誇るアプリです。

直感的な操作性で簡単に工程表を作成でき、1つの現場だけでなく、複数の現場を一覧形式で確認することができるため、複数現場を担当している方でも問題なく利用できます。また、スマートフォンやタブレット1つで、どこからでも工程表の作成や進捗管理が可能となり、作業効率を大幅に向上させ、書類作成にかかる時間を短縮できます。

また、現場ポケットの工程表作成機能であれば複数種類の工程表を同一アプリ上で作成・管理することができるため、工程表の作成にかかる時間を大幅に短縮することができます。

さらに、アカウント数やデータ容量の追加といった追加課金がなく、年間契約費用のみで利用できる点も魅力です。利用料金は税込みで11,880円/月で活用できます。

工程表の作成を効率化したい方や現場管理アプリを試してみたい方は、ぜひ「現場ポケット」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

以上、新築工事における工程表について解説しました。

今回の記事の内容をまとめると下記のとおりになります。

  • ・工程表は主に「納期の遵守」「業務の効率化」「トラブルへの対応」といった目的で作成される
  • ・工程表には全体工程表や「年間工程表」「月間工程表」のような期間ごとに分けられたものもある
  • ・工程表にはガントチャート工程表や、バーチャート工程表といった種類が存在する
  • ・工程表は主にエクセルや現場管理アプリなどのツールで作成する

工程表の作成や管理を効率化したい場合は現場管理アプリがおすすめ

新築工事はリフォームなどと比べると期間も長く、工程数も多くなりがちなため、複数の工程表を用意する必要があります。

現場管理アプリでは、複数の工程表を作成・管理することができるため、長期の工事になりがちな新築工事にも柔軟に対応することができるでしょう。


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