建設業の出面表とは?エクセルテンプレートも紹介

2025-03-14

建設業の出面表とは?エクセルテンプレートも紹介

建設業の出面表とは、工事現場で働く作業員の出勤日数が書かれた表です。出面表を見れば、現場で誰が・いつ・どのように働いていたのか簡単に確認できます。

出面表は本来手書きで作成されてきており、手間がかかる上に記入ミスしやすいのが現状です。

最近ではエクセルテンプレートや現場管理アプリなど、便利なツールを活用できるようになりました。

出面表の作成の経験がない方は、次の項目について理解しておくのがおすすめです。

  • ・出面表の目的
  • ・出面表の記載すべき項目
  • ・出面表の作成方法
  • ・出面表作成を作成する際のポイント
  • ・出面表作成におすすめのアプリ

この記事では、出面表の必要性について解説するとともに、正確性が求められる出面表の作成のポイントやおすすめのアプリも紹介します。

現場管理を効率的に行い、会社の利益向上を目指している方は、ぜひ最後までお読みください。

そもそも出面とは?

出面とは「でづら」や「でめん」と読み、建設現場で働く作業員の1日当たりの人数を指します。

出面は「顔を出す、出席する」という意味から、作業現場では作業員の出勤日数や、日雇い労働者への賃金として使われるようになりました。

出面は表を作成して管理すると、作業員の勤務時間や給与計算などが把握しやすくなります。

出面表とは?

出面表とは、作業員の勤務状況を記録して表にした書類やデータを指します。

具体的には建設現場で作業員がいつ、どれくらい、どのような作業を行ったのかを正しく把握するため表にしたものです。

また、出面表は労働基準法に基づく法定帳簿として利用されるため、法的にも管理が必要です。

一般的に出面表は、紙を使って直接記入する方法で作成できます。

エクセルテンプレートを利用する方法なら、PCで入力すれば自動計算できるので手計算によるミスの軽減も可能です。

最近では、出面表の作成機能を搭載した現場管理アプリも利用されるようになりました。

アプリを活用すれば作業員の出退勤も確認でき、PCに入力する手間もなく、より効率的に出面表を作成できます。

出面表の目的

出面表を作成する目的は、主に以下の5つです。

  • ・労務管理:作業員がいつ出勤・退勤して作業しているか把握できる
  • ・賃金管理:給与を計算するために必要な労働時間を確認できる
  • ・安全管理:作業員の作業内容を把握して安全性を確認できる
  • ・業務改善:作業への取り組みを振り返り、業務改善が図れる
  • ・人材育成:新入社員の書類作成能力に役立つ

それぞれの目的について、以下で詳しく解説していきます。

労務管理

労務管理とは、作業員の勤怠や賃金・福利厚生といった労働に関することを管理する業務です。

労務管理するとき、労働基準法(第107条・第108条・第109条)により、以下の3つが企業側に義務付けられています。

  • ・労働者名簿
  • ・賃金台帳
  • ・出勤簿

出面表は労働基準法を遵守するために、労働時間は必要な情報で正確に把握することが重要です。

賃金管理

出面表は作業現場でいつ、誰がどれくらい働いていたのか記載されており、賃金管理を目的に活用されます。

建築業界では下請負業者と契約を結ぶ際、請負契約と常用契約の2種類があります。

請負契約は、完成された仕事に対して受注者に報酬が支払われる契約です。

発注者が受注者へ依頼した仕事は完了したら報酬がもらえますが、手直しがあると無料で修理するケースがあるので確認しておきましょう。

常用契約は、決められた時間に働いた分に対して報酬が支払われる契約で、日当計算をするときに出面表を用います。

出面表に記録された内容を基に作業員の賃金が計算されるため、正確さが重要です。出面表は賃金の支払いミスを防ぎ、公平で透明性のある賃金管理ができます。

安全管理

安全管理を目的として、出面表を活用するケースが増えてきています。工事現場では、大怪我や命に関わる危険な業務が伴うかもしれません。

出面表に作業員の出勤時間から退勤時間まで記録して、労働時間が適切かどうか判断します。

作業員がいつ、どのような作業をしたのか明確にすれば、過重労働や危険な作業の連続を防いで、安全管理の強化につながるのが目的です。

出面表に記入しても直接の労災は防げませんが、作業員の勤務内容を記録しつつ作業状況を見直すことで、危険性や安全管理の意識を客観的に把握できます。

業務改善

出面表に作業内容や作業中に発生したことを記録しておくと、業務の無駄が見つかりやすくなり、業務改善が図れます。

業務改善とは、今までの工程や作業を時代や社会状況に合わせて見直し、非効率的な作業を削除したり場所や順序を入れ替えたりなどより良い環境にすることです。

作業員1人ひとりの取り組みを振り返りながら作業の分配をし、作業の流れをさらにスリム化すればより業務改善が見込めるでしょう。

人材育成

出面表は新人教育でも活用されるため、人材育成に役立ちます。

新人教育で出面表を作成させる会社は増えており、現場の作業工程を把握できて会社に馴染みやすくなるのがメリットです。

出面表を作成すると現場の状況が早く理解できるため、各作業の人員の過不足まで見えてきます。

出面表の目的は作業員の労務管理や賃金管理・安全管理だけでなく、適切なスケジュールや適切な人員配置で業務時間の短縮につながっていくでしょう。

出面表に記載すべき項目

出面表に記載すべき主な項目は、以下の6つです。

  • ・現場責任者名
  • ・工事現場名
  • ・作業員氏名
  • ・勤務期間・日数
  • ・業務内容・職種
  • ・労働形態

それぞれの項目について、以下で詳しく解説していきます。

現場責任者名

出面表には、現場責任者の名前が一目でわかるように記載します。一般的には出面表の左上に、責任者が誰なのか、第三者から見てもわかりやすい出面表を作成しましょう。

工事現場名

工事が行われている場所がわかるように、工事現場名は必ず記載しましょう。略称や通称では伝わらない可能性があるので、正式名称で記入します。

万が一、正式名称が存在しない場合、工事現場の住所を記載するケースがあります。

作業員氏名

現場で仕事している作業員全員の名前を、フルネームで記載します。現場責任者はもちろん、日雇い作業員や正社員など全員の記載が必要です。

同姓の人がいる場合、苗字だけでは混乱する可能性があるので、必ずフルネームで氏名を書きましょう。

勤務期間・日数

作業にかかる期間や勤務日時、働いた時間を記入します。日当計算に必要で、入退場管理と合わせて勤務時間を記録しておきましょう。

基本的には、月単位や週単位で記録したり、作業員ごとに個別に記載したりすることも必要です。

業務内容・職種

どの作業員が、どの職種や作業に携わったか、細かく記載することも必要です。現場作業では、直接請負会社や協力会社など、別の会社の従業員が同じ場所で働くこともあります。

混乱を避けるため、作業員ごとに個別で記録しておきましょう。

労働形態

建設・建築業では、通常労働だけでなく時間外労働や休日出勤があれば区別して記載します。

作業員がどの時間帯にどれだけ仕事しているか明記すれば、正確な賃金計算が可能です。

一般的には、以下の労働形態があります。

  • ・通常労働
  • ・時間外労働
  • ・休日労働
  • ・深夜労働

作業員1人ずつ、業務内容に加えて労働形態まで明確に記載しましょう。

出面表の作成方法

出面表の作成方法は以下の3種類です。

  • ・紙で作成する
  • ・エクセルテンプレートを利用する
  • ・現場管理アプリを利用する

各作成方法に特徴やメリット・デメリットがあり、職場や地震に適した方法を選べばトラブルを避けられます。

それぞれの作成方法について解説していきます。

紙で作成する

紙の出面表は、テンプレートが用意された紙に、作業員の出勤日数や作業時間を手書きで作成して管理する方法です。

紙の出面表は誰でも現地ですぐに記入できるのがメリットです。アナログ管理なので、電気系統のトラブルに影響されません。

紙の出面表は誰でも現地ですぐに記入できるのがメリットです。アナログ管理なので、電気系統のトラブルに影響されません。

ただし、紙に直接記入するため、誤字や計算間違いなどの人為的ミスも懸念されます。紙での管理は破れたり汚れたり紛失のリスクもあるため、作成保管まで手間がかかるのはデメリットです。

手書きされた作業員の日数や時間のデータをPCに入力して、労務管理するには手間もかかります。

最近では書類作業もデジタル化されているので、紙による出面表の作成は減少していくでしょう。

エクセルテンプレートを利用する

出面表のエクセルテンプレートを利用すれば、データを入力するだけで簡単に出面表の作成が可能です。

関数を使用した計算式を活用すれば、自動的に正確な出面表が作成できるため、人為的ミスも防いで記入作業が効率化されます。

書類として印刷すれば手書きよりも短時間で、紙としての保管ができるのはメリットです。

ただし、エクセルはPC環境に適した管理方法であるため、スマートフォンやタブレットで操作しにくいデメリットもあります。

現場ですぐに記入するためにはPCを持ち運ぶか、事務所と現場を往復しなければならなくなるでしょう。

現場管理アプリを利用する

現場管理アプリならスマートフォンやタブレットで利用できて、どこでも記入できます。

あらかじめ用意されている機能を活用すれば、エクセルテンプレートを活用しなくても、簡単に出面表が作成可能です。

アプリなら現場に行かなくても作業員の出退勤を確認できて、日報もその場で入力できます。

クラウド上にデータが保存されており、インターネット環境があれば、すぐに最新情報のチェックも可能です。

情報の共有もすぐにできるため、他の人に確認してもらうのも簡単です。さまざまな機能が搭載されているので、作業員の負担も軽減されます。

アプリを導入するには初期費用がかかるのがデメリットです。端末機の充電が切れると利用できなくなるので注意が必要です。

アプリに搭載された便利な機能を活用すれば、作業の効率化や作業員の労働短縮で経費削減につながります。

出面表を作成する際のポイント

出面表を作成する際に考慮するポイントは以下の2つです。

  • ・仕事を割り振りしてエリアごとに担当者を決める
  • ・忘れを防ぐ対策としてダブルチェックする

それぞれのポイントについて解説していきます。

仕事を割り振りしてエリアごとに担当者を決める

出面表を作成する際のポイントは、仕事を割り振りしてエリアごとに担当者を決めることです。

工事現場の規模が大きければ大きいほど管理する項目が多くなり、作業員1人では把握しきれないケースがあります。

1人で作業員や時間などを管理すると間違いに気が付かず、ちょっとしたミスが大きなミスにつながるかもしれません。

エリアごとに担当者を決めて、最終的に集計結果を出面表に記載して円滑に仕事を回しましょう。

忘れを防ぐ対策としてダブルチェックする

出面表を作成する際に、忘れを防ぐ対策としてダブルチェックしましょう。

1人で出面表を作成すると何度も確認したつもりが、記載漏れや間違いなどケアレスミスに気が付かないかもしれません。

記載ミスを防止するために、他の人に確認してもらうのがおすすめです。出面表の記載が完了したら、上司に確認を頼んでデータを共有し、2人でチェックすれば記入漏れを防げるでしょう。

出面表作成におすすめのアプリ

現場管理アプリの利用を検討している、気になっているという方におすすめの現場管理アプリとして、「現場ポケット」をご紹介します。

現場ポケットは、工程表の作成やPDFへの変換など、多彩な機能を一つのアプリで利用できる現場管理ツールです。

2025年1月時点で、導入実績は35,000人以上、契約更新率は約95%と、高い実績を誇ります。

日報機能が搭載されており、作業開始から終了までトーク画面から入力可能。現場ごとにかかった人件費をファイル出力できるので、スムーズな給与計算ができます。

現場ポケットは施工管理アプリとして、職人の出退勤管理や人工計算など出面表の作成や管理が効率的にできます。

さらに、アカウント数やデータ容量の追加といった追加課金がなく、年間契約費用のみで利用できる点も魅力です。利用料金は税込みで11,880円/月で利用可能です。

出面表の作成・管理を効率化したい方や現場管理アプリを試してみたい方は、ぜひ「現場ポケット」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

以上、出面表について解説しました。

今回の記事の内容をまとめると以下の通りになります。

  • ・出面表は作業員の労働時間と安全を管理できる
  • ・出面表で賃金管理ができる
  • ・出面表の項目を正確に記載すると業務改善が目指せる
  • ・出面表作成はエクセルやテンプレートが利用できる
  • ・出面表作成は業務効率化につながる現場管理アプリがおすすめ

現場管理アプリは導入時や利用にコストがかかるものの、工事現場においてあらゆる業務の無駄を省けます。

人件費だけでなく、業務効率化による利益率向上も期待できるので、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。


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