【建設業】 現場の見える化とは?

2025-04-07

【建設業】 現場の見える化とは?

「建設現場の見える化ってどういうこと?」
「見える化すると建設現場はどう変わる?」
「見える化のための具体的な方法を知りたい」 

建設現場を見える化するというフレーズは、よく見聞きするようになりましたが、対象となる業務や実際の方法についてイメージするのは難しいという方も多いのではないでしょうか。 

この記事では、建設現場の見える化の概要、必要性、具体的な方法についてわかりやすく解説しています。また、現場を見える化する際にアプリを導入する重要性と、おすすめの現場管理アプリ「現場ポケット」の紹介もしています。 

ぜひ最後までご覧いただき、建設現場の効率化と生産性向上の参考にしてください。

建設業界の現場の見える化とは?

建設業界の現場の見える化とは、現場の進捗状況をリアルタイムで把握できて、工事関係者が正確な工事情報をいつでも確認できるようにすること

その結果、業務の属人化を避けることができて、一元管理が可能になります。これらのことについて詳しく解説します。

進捗状況を見える化する

建設現場は、日々の施工によって常に変化しています。リアルな進捗状況を確認するためには、電話やメールで確認するか、実際に現場に赴く必要がありました。 

アプリの導入などで見える化が実現すると、現場の写真や図面を添付した報告書を担当者が作成してクラウドに上げれば、他の工事関係者はいつでもどこからでも進捗状況を報告書で確認できます。 

現場が遠隔地であっても、特段の時間や費用をかけずに現場のリアルな進捗状況を確認ができます。別途、ウェアラブルカメラなどのITツールを活用すれば、ライブ映像での現場確認も可能です。

現場情報を見える化する

建設業では、現場情報の見える化も重要です。建設業での現場情報とは、工程や安全など現場の施工管理に直接的に関わることはもちろん、作業者の人員配置や勤怠管理、現場ごとに発生する取引先管理なども含まれます。 

例えば、これまで現場担当者は自分のパソコンがある場所まで戻って、紙やエクセルをベースに現場情報の報告書を作成し保管していました。定期的な検査が行われるまで、現場情報は共有されないことになります。 

しかし、アプリの導入などで見える化すると、担当者は現場からスマホやタブレットで報告書を作成・編集できます。そして、その現場情報はクラウド上で、すぐに他の工事関係者が共有できるのです。 

見える化によって、すべての現場情報が効率的に共有されるようになり、生産性が向上し長時間労働の削減に繋がります。 

属人化を防ぎ一元管理する

現場を見える化するということは、アプリなどをベースとして、関係者全員が一つの手順やルールに従って業務を行うということです。業務のやり方を個人に依存することがなくなるので、属人化を防ぐことができて、業務の引継ぎなどもスムーズになります。  

また、現場管理のためのアプリを、全社的な業務を効率化するアプリやシステムと連携させることで業務全体の一元管理が可能になります。 

連携のメリットにはいろいろありますが、一番にくるのは、データ入力の効率化です。現場で担当者が入力したデータは、すぐに本社の管理部門のデータベースに同期し、さまざまな集計に活用されます。 

業務が一元管理され効率化すると、現場の予算と実績の差異なども把握しすくなり、特に経営サイドでのメリットは大きいです。

建設業界で現場の見える化が必要な理由

建設業界では、慢性的な人手不足や高齢化などの問題を抱えており、生産性の向上や技術伝承ための施策が求められてきました。また、他の業種に比べて死傷者数の多い労働災害についても改善策が必要とされています。 

生産性を向上させるため

建設業は、他業種に比べると生産性が低いとされてきました。主な理由は、人手不足などのために長時間労働になりやすいこと、受注から竣工まで必要書類が多く膨大な事務作業が必要になることが挙げられます。 

現場を見える化することによって生産性を大幅に向上させるのが、現場管理アプリ、クラウドカメラ、ICT建機などのITツールです。   

これらのITツールの活用により、生産性が向上してワークバランスが整えられることで、新規就労者の入り込みも期待されています。

情報の共有と蓄積のため

建設会社では、建設現場の情報の共有だけでなく、熟練職人のノウハウや技術の共有や蓄積もITで行うようになっています。 

これは、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)による技術の蓄積であり、技術を見える化して再現可能な形で記録するものです。 

例えば、熟練職人の作業手順を、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)で視覚的に再現し、新人教育に活かしています。

労働災害を防止するため

作業員の安全を確保し、労働災害を防止するためにも現場の見える化は重要です。 

まず、現場の安全管理体制と安全管理責任者を明確にします。そして、安全のためのルールや確認ポイントを掲示板やポスターなどで見える化して周知を繰り返すことが大切です。 

現場ごとの定期的な安全協議会の開催は必須になっていますが、マンネリ化させないため、視覚的なツールを使ったり、講師を招いて安全講話を聞いたりなどの工夫も必要になるでしょう。 

具体的な安全の見える化としては、現場内のリスクとなりそうな場所や作業、機械を、キャッチフレーズ、デザイン、写真、色、光などで注意喚起するのがポイントです。

現場を見える化するための方法

現場を見える化して、業務を効率化し生産性の向上を行うための方法について解説します。

業務内容の把握

現場の見える化の第一段階は、現状の業務内容を把握することです。長期にわたって当たり前のように繰り返してきた業務内容が、本当にベストなのかを見直す作業になります。 

日々の業務の中で、この業務はムダではないか、この業務にかかる時間を削減できないかなどの問題点の把握から始めます。また、現場以外の部門からの現場に対する要望を聞くことも必要です。 

業務の種類ごとにフロー図を描いて、課題と改善策を記入していきます。最終的には、関係者全員で、この情報を共有します。

業務の標準化

業務内容を把握して、課題となる点を改善する方法がまとまったら、その業務のやり方を標準化します。標準化には、業務フローの標準化と作業自体の標準化の2通りあります。

業務フローの標準化では、業務内容の把握で業務の流れは見える化しているので、これを担当者が代わってもスムーズに行えるように仕組み化します。認識や解釈が統一できるように、フローチャートを駆使し、状況によってはマニュアルの作成も必要でしょう。

作業自体の標準化は、個別の作業ごとに作業手順をマニュアル化することが多いです。マニュアル作成時には、作業者が理解しやすいように、画像や動画、絵図など視覚的なツールの併用をおすすめします。

業務のIT化

業務を見える化して最大限の効果を目指すなら、業務全般をIT化すべきです。業務全般をペーパーレス化して電子データにおき替え、最新のモバイル通信を活用してコミュニケーションを迅速・確実に行い、業務の属人化を避けて一元管理が可能になります。 

また、建設業では、現場の調査・設計から、施工・運用後の管理まで「ICT化」が進んでいます。ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称で、情報通信の技術を意味する言葉です。 

このICT化も、業務の効率化や情報の共有、生産性の向上という視点で考えれば、広い意味での建設現場の見える化ではないかと考えます。

現場の見える化に際しての注意点

ここでは、現場を見える化して業務の効率化をするために注意すべき点を3つ説明します。

課題や問題を放置しない

建設現場を見える化すると、関係者全員が現場の状況をリアルタイムで把握できるため透明性が増し、課題や問題が現れやすくなります。 施工の進捗状況、安全上の不備、協力会社との連携など、どんな業務に係ることでも課題や問題を放置しないことが重要です。 

建設現場では、日常的に想定外の問題が発生しますが、問題が起きない現場が良い現場ということはありません。逆に、問題が起きない現場は、問題が表面化しにくい理由を詮索されることさえあるほどです。 

見える化で見えやすくなった課題や問題を放置せず、関係者で対策を練って改善策を実施していくことは、今後の施工レベルを上げていくことに繋がります。

暗黙知はできる限り明確化する

建設業は、他の業種に比べて「暗黙知」が多いとされます。建設業の暗黙知とは、職人や匠とされる技能者が長年の経験で体得したノウハウや勘などの属人化した情報のことです。

最近では、技能者だけでなく、特定の従業員だけが知っている情報全般を指すことが多いです。見える化を推進する過程で、この暗黙知は、できる限り明確化すべきです。 

特に業務上で属人化されていた情報は、プロセスを明らかにしてマニュアル化することで、誰でも取り組めるように標準化しなければなりません。一度標準化してしまえば、その後に多少の微調整があったとしても大きな問題とはなりません。

曖昧さはできる限り排除する

建設現場を見える化する際は、暗黙知同様、曖昧さもできる限り排除すべきです。 

長年継続してきた業務の中には、現在でも、当時と同じやり方がベストなのか判断されていないことが多々あるものです。そういう業務のやり方は、効率的なやり方が確認でき次第改めるべきです。 

AとBの2つのやり方のうち、どちらを選ぶかで迷う場合は、どの点を重要視するかを決めて判断しましょう。例えば、コストか、スピードか、どちらを主眼として選ぶかを先に決めるということです。 

いずれにしろ、見える化においては、できる限り曖昧さを排除しておかないと標準化が難しくなります。

現場を見える化するためにはアプリがおすすめ

建設業の現場を見える化するためには、アプリの導入がおすすめです。ただし、アプリにはそれぞれに特徴があるため、自社の要望に合う機能のアプリを選ぶ必要があります。 

現場の見える化に貢献するアプリの機能は、一般的には以下のようなものがあります。 

  • ・工事写真機能|電子小黒板、自動で写真をフォルダ整理、自動で写真台帳作成
  • ・工程管理機能|全体工程表及び部分工程表の作成と進捗管理
  • ・トーク・チャット機能|社内外のコミュニケーションを一元管理
  • ・報告書管理|現場状況や工事情報、勤怠管理など、スマホを使って報告 

以上の他、受発注管理や出勤簿管理などまで装備しているアプリもあります。 

すでに業務効率化のためのアプリやシステムを導入していて、追加する形で現場管理アプリを導入する場合などは、連携について事前にメーカーなどに問い合わせが必要でしょう。

現場ポケットで現場を見える化

現場を見える化したい建設会社の方から高い評価を得ているのが、現場管理に特化したアプリ「現場ポケット」の日報機能やアルバム機能、トーク機能などです。 

現場ポケットは、初期費用無料でランニングコストは基本11,880円(税込)/月、オプション費用は一切かからず、アカウント数・データ容量、現場登録数が無制限で使用できます。

現場の見える化と現場ポケットについて紹介します。

現場の見える化と現場ポケット

現場ポケットの多様な機能の中でも、特に現場の見える化に貢献するのは、日報機能やアルバム機能、トーク機能です。この3つについて紹介します。 

・日報機能
現場状況が見える日報が、スマホ1台で現場にいながらリアルタイムに登録可能です。また、現場ごと、職人ごとに勤怠管理の帳票出力ができるため、事務員さんの集計時間を減らせます。

・アルバム機能
膨大な工事写真を現場ごと工程ごとに管理可能となり、個人での写真管理から脱却できるので現場の見える化が格段に進みます。撮影した写真やトークで共有された写真は、自動で保存され後からの検索も簡単です。 

・トーク機能
チャット形式で現場の情報を即座に共有できるため、現場の見える化に大きく貢献します。現場ごとにトーク画面が分かれているため、必要な情報や写真などをすぐに送ることができるので、コミュニケーションの質もスピード感も上がります。

以上の他、現場ポケットには、工程管理機能や顧客管理機能などもあります。

まとめ

ここまで、建設業の現場の見える化について、以下の内容で解説してきました。 

  • ・建設業界の現場の見える化の概要
  • ・建設業界の現場の見える化が必要な理由
  • ・現場を見える化するための方法と注意点
  • ・現場の見える化にアプリがおすすめの理由
  • ・現場ポケットの現場を見える化できる機能の紹介

建設現場の業務を見える化し効率化することは、建設業の生産性の向上に直接的に繋がります。暗黙知や曖昧さを業務からできる限り排除して、言語化したり視覚化したりして標準化することが重要です。

このような取り組みは、現場でのICT技術の活用と相まって、建設DXが積極的に推進されている時代の趨勢とも合致していると考えます。また、このような積み重ねは建設業の3K(きつい・汚い・危険)のイメージを変化させて、若年労働者をはじめとする新規就労者の入り込みにも繋がるはずです。 


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