【自動車サービス販売業界事例】カーショー1位を実現したアナログ脱却と全体工程管理方法とは?

2025-12-22

【自動車サービス販売業界事例】カーショー1位を実現したアナログ脱却と全体工程管理方法とは?

アメリカ車を中心としたカスタムやレストアを手掛けるEL Classico様。

同社のプロジェクトは1台あたり2〜3年を要するものもあり、その工程は極めて複雑です。かつてはアナログな勤怠管理や、職人の経験則に頼った工程管理が主流でしたが、組織の拡大とともに「情報の見える化」が急務となっていました。
同社が選んだのは、建設業界向けとして知られる「現場ポケット」でした。

彼らはその機能を独自に解釈し、自動車整備のリフト稼働率の最適化や、大規模イベントに向けた精緻なガントチャートとして運用することで、劇的な成果を収めています。
今回は数年に及ぶ長期プロジェクトの進捗管理や、職人の頭の中にあった工程の「見える化」により、いかにして業務効率とチームワークを向上させたのか。清水さん、城田さんにお話を伺いました。

直行直帰による勤怠の「空欄」と、職人の頭の中にしかない工程

――現場ポケット導入前の課題を教えてください。

※イメージ写真

清水さん: 一番の課題は勤怠管理でした。
現場への直行直帰が多く、従来の「ガチャン」と押す昔ながらのタイムカードでは、どうしても管理しきれなくなっていたんです。

結局、直行直帰の分は手書きになるのですが、どうしても書き忘れが出てしまい、「あの日の出勤時間は何時だったか……」と記憶を辿るような状況が頻発していました。

白田さん: 私は半年前にジョインしたのですが、当時は工程管理も大きな課題でした。
それぞれの担当者の頭の中にだけ予定が入っていて、チーム内での共通認識が持てていなかったんです。

次に控えている人にいつ仕事を渡せるのかが不透明で、複数のプロジェクトが並行して動く中で「見える化」されていないことによる弊害が出ていました。

――アナログ管理による具体的な負担はどのようなものでしたか。

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清水さん: 月末の集計作業ですね。手書きの勤怠を一つひとつ電卓で叩いて計算しなければならず、人数が増えるほどミスも漏れも多くなり、かなりの事務負担になっていました。

白田さん: また、車を持ち上げる「リフト」の空き状況が把握しづらかったこともあります。どのタイミングで誰の手が空き、どのリフトを空けられるのかが分からないため、作業場の稼働効率を最大化できていませんでした。

プロジェクトごとの「工数管理」が決め手

――多くの勤怠・工程管理ツールがある中で、現場ポケットを選んだ理由を教えてください。

清水さん: Webで「勤怠管理」に関連するキーワードで探していた時に見つけました。決め手は、案件(プロジェクト)ごとに細かく設定ができ、工数の計算が柔軟にできる点です。

私たちは建設業者ではありませんが、「1台の車を仕上げる」というプロジェクト単位で動くため、現場ポケットの「案件管理」という概念が非常にマッチしました。勤怠とプロジェクト管理を一つのソフトで完結できるものは、他になかなかありませんでしたね。

毎朝のミーティングが「全体工程表」で劇的に進化

――導入後、具体的にどのような改善が見られましたか。

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白田さん: 毎朝、大きなモニターに現場ポケットの「全体工程表」を映してミーティングを行っています。前日までの進捗を確認し、「ここの工程が遅れたから、後の工程をどうリカバリーするか」を全員でディスカッションしています。

これまでは各々の頭の中にあったスケジュールがガントチャートとして視覚化されたことで、その日にやるべきことが全員に明確に伝わるようになりました。

――チームワークや効率面での変化はいかがでしょうか。

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白田さん: 以前は自分の作業範囲しか見ていなかった職人たちも、全体の流れが見えるようになったことで、「○○さんが遅れているから手伝おう」といったチームプレーが生まれるようになりました。

また、部品の状態が悪いときなどは、担当者がその場で写真を撮ってアルバムにアップします。それを私たちがすぐにお客様へ共有し、どう修理するかを即座にキャッチボールできる。このスピード感は、アルバム機能が非常に使いやすいからこそ実現できています。

――象徴的な成功エピソードがあれば教えてください。

白田さん: 私たちは毎年、日本最大級のカーショーに車両を出展しています。以前は期日が迫ると全員の進捗が把握できず、最後は徹夜続きのバタバタになっていました。

しかし今年は、現場ポケットで誰が何をいつまでにやるかをきっちり組み、共通認識を持って進めた結果、スケジュール通りに完成させることができました。

その結果、そのショーで1位をいただくことができたんです。 これはまさに「工程管理による勝利」だと思っています。

建設業の枠を超えた「サービス販売業」のモデルケースへ

――現場ポケットの満足度を教えてください。

白田さん: 基本的には満足していますが、さらなる期待を込めて「非常に満足」の一歩手前です(笑)。

私たちは1日単位ではなく「半日単位」で細かくコントロールしたい場面があります。また、案件マスターの操作性向上や、休日設定がガントチャートに自動反映される仕組みなど、要望はいくつかあります。これらが改善されれば、私たちの業界でもさらに普及するはずです。

――今後、どのように活用を広げていきたいですか。

白田さん: 今は私が全体工程表を作っていますが、今後は各プロジェクトリーダーが自分で工程を組み、部下とコミュニケーションを取れるようにしていきたいです。現場の人間が本当に欲しい情報を自分たちで設定し、使いこなせるようになれば、さらに効率は上がるはずです。

――導入を検討している、建設業以外の企業様へアドバイスをお願いします。

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白田さん: 「現場ポケット」という名前ですが、プロジェクト単位で動く仕事ならどんな業種でも使える可能性があります。 最初は「工程を管理されるのは窮屈だ」という現場の反発もありましたが、続けていくうちに「全体の仕事が見えたほうが自分もやりやすい」という空気に変わりました。アナログな管理で「今、誰が何をしているか分からない」と悩んでいるなら、試してみる価値は十分にあります。


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