オフィスの移転や解体、運搬業務を幅広く手掛ける株式会社三洋エクスプレス様。かつては、現場の進捗状況の把握は「営業と現場の1対1」による電話や紙ベースのやり取りに依存していました。
情報の伝え忘れや問題点の共有不足が、顧客対応の遅れや請求漏れのリスクに直結していたと言います。
同社が「現場管理の進化」を目指して導入したのが、現場ポケットです。すべてのドライバーがスマートフォンを所有したタイミングを機にシステムを導入。
今では「現場ポケットがなければ業務が成り立たない」というレベルまで、社内の習慣として深く根付いています。同社の現場ポケット担当者・蛯子さんにお話を伺いました。
「伝え忘れ」が招く請求漏れと、1対1の閉じたコミュニケーション
――現場ポケット導入前の課題を教えてください。

蛯子さん: 一番は、現場の進捗状況をリアルタイムで営業と共有できなかったことです。現場担当者がすべての現場のスタートに立ち会えるわけではありません。
紙の報告書や電話でのやり取りが中心でしたが、どうしても「伝え忘れ」が発生していました。例えば、現場で何らかの問題が起きた際、現場から営業に伝え忘れると、お客様へ報告すべきことが漏れてしまいます。
さらに深刻なのは、請求すべきことが請求できていない「請求漏れ」のリスクでした
――連絡手段としてのLINEや電話には、どのような限界を感じていましたか。

蛯子さん: LINEは1対1のやり取りになりがちで、全体での情報共有が難しいんです。
また、現場ごとにグループを作ろうとすると、運送業は毎日現場が変わるので、LINEがグループだらけになってしまいます。これでは管理が到底追いつきません。
電話についても、ちょっとした確認のために頻繁に鳴るため、現場・営業双方にとって大きな負担になっていたと思います。
欲しい機能だけがある「安さとシンプルさ」
――数あるシステムの中から現場ポケットを選んだ理由は何でしたか。

蛯子さん: Webで複数のシステムを検索する中で見つけました。他社の高機能なツールとも比較しましたが、機能が多すぎて、うちには必要のないものが多かったんです。現場ポケットは、「手頃な価格」と「機能のシンプルさ」が決め手でした。
欲しい機能だけが揃っていて、直感的に使える。これが私たちの会社には一番重要でした。
電話の激減と、情報共有の「スピード感」の向上
――導入後どのような改善が見られましたか。

蛯子さん: 「情報共有の迅速化」が最大の成果です。1対1の閉じたやり取りではなく、現場ポケットにアップすれば社員全員が「今、現場で何が起きているか」を把握できる。
この「全員が見に行ける状態」が、チーム全体の生産性を高めてくれました。
また、共通の認識として、電話の数が明らかに減りました。 現場の進捗が気になれば、受話器を取る前に現場ポケットを覗けばいい。お昼頃に「作業はどう?」と確認する手間もなくなりましたね。
運送業の「進化」を支えるインフラとして
――現場ポケットの全体的な満足度はいかがでしょうか?

蛯子さん: 満足しています。私たちのやりたいことはすべて実現できていますし、今では「現場開始」のボタンが押されているか、写真が上がっているかを本部で見守ることが日常の風景になっています。
最初は写真を撮る行為を全員が習慣化するまで少し時間はかかりましたが、一度定着してしまえば、なくてはならないインフラになりました。現在、グループ会社にも勧めて、共通のアカウントで情報共有アプリとして使ってもらっています。
無駄な機能がなく、「簡単で分かりやすい」という点は、ITに不慣れな現場スタッフを抱える企業には、自信を持ってアドバイスできるポイントですね。
――今後の要望や展望をお聞かせください。

蛯子さん: 私たちは塗装業ではないので、工程表などの機能は現状使っていませんが、決して邪魔ではありません。
今後は、さらにこの現場ポケットを活用して、営業と現場の連携をシームレスにし、さらなる「運送業の進化」を目指していきたいです。
株式会社三洋エクスプレス様は、アプリの枠組みに縛られず、自社の業務(運送・引っ越し)における「リスクヘッジ」や「進捗確認」に現場ポケットを最適化させていました。情報の「伝え忘れ」をシステムで解決した同社は、これからも現場のデジタル化を牽引していきます。