創業以来、地域に根差した丁寧な建築工事を手掛けてきた株式会社高匠様。
従業員15名体制で多くの現場を管理する同社では、現場情報の共有にLINEを活用していましたが、その非効率さから情報伝達の漏れやトラブルが常態化していました。
「送った・送らない」「言った・言わない」といった認識のズレに加え、情報が分散することで業務効率も低下していました。
このような課題を解決するため、同社が選んだのが現場管理アプリ「現場ポケット」です。導入後3年目を迎え、同社はどのように情報共有の習慣を変え、業務効率を向上させたのか。
高木さんに詳しくお話を伺いました。
LINEと情報の分散による業務効率の低下とトラブル
――現場ポケット導入前はどのように現場管理をされていましたか。

高木さん:導入前は主にLINEを使って管理しており、これが大きな悩みの種でした。
まず、一つの案件の情報や写真を、現場ごと、あるいは写真集として、複数のグループや個人に一つひとつ送らなければならない手間がありました。
情報共有のたびに手間が発生し、それが日常的な負担になっていました。さらに、最も深刻だったのはトラブルの多発です。
LINEだと、「この人には送ったが、あの人には送っていなかった」といった情報伝達の漏れや、「言った言わない」「送った送らない」といった認識のズレが常態化し、監督や事務員の負担が増大していました。
LINEやFAXなど、様々なツールで情報が分散していたことも、「何がどこにあるか明確ではない」状態を生み出していました。
多くの現場を少人数で管理していたため、協力業者さんの協力は必須でしたが、この分散した管理体制では、従業員全体の意識統一も困難でした。「どの現場の情報もデータとして残っている」という安心感が、私たちにはありませんでした。
そこで、外部の管理ソフトを探し始めました。
使いやすさと定着に向けて感じたこと
――数ある現場管理ツールの中から、現場ポケットを選定された決め手は何ですか。

高木さん:選定の一番の決め手は価格です。
他のツールと比較しても、現場ポケットは圧倒的に安く、コスト面は非常に重要でした。
加えて、「使いやすさ」も重視しました。現場管理ツールは、現場の職人さんが使いこなせなければ意味がありません。現場ポケットは電話番号で職人さんの登録ができ、シンプルで直感的に使えるという点が、当社の現場に最適だと感じました。
また、LINE管理では情報量の限度やアルバムの上限(100件まで)がある他、過去データの見直しができないという問題がありましたが、現場ポケットはそれらをすべてクリアできると確信しました。
――導入はスムーズに進みましたか。

高木さん:導入については正直に言うと大変でした。
やはり新しいものを現場に定着させるのは一苦労です。特にLINEで管理していた従来の習慣を捨て去ることが難しかった。
使用用途ごとにグループを作るという従来の感覚から、一つのアプリですべてを完結させるという新しい習慣に移行させるのには時間がかかりました。
しかし、導入時に役立ったのは、専用マニュアルです。現場監督や事務員が、自分の業務後などに見ながら一つひとつ試したり確認したりできるマニュアルは、非常に有効でした。
時間はかかったものの、今では現場が始まる時に現場ポケットからスタートという習慣が全員に根付いています。
情報共有の習慣化と「現場の動きのリアルタイム化」を実現
――現場ポケット導入後、最も改善された効果を教えてください。

高木さん:最も改善されたのは、情報共有の効率化です。
以前は何度も行っていた情報共有が一度の共有で済むようになり、全員が共通認識を持てるようになりました。案件が来た時に、まず現場ポケットで案件を立て、全員がそれ一つで済むという習慣ができたため、「あ、現場が始まるんだ」という共通認識でスタートでき、最終的な完了まで一本で情報管理できるようになりました。
これにより、情報共有にかかる手間が大幅に削減され、その効率化の度合いは「ないと困る」レベルで、体感では8割近い効率アップだと感じています。
さらに、現場の動きがリアルタイムで把握できるようになりました。
マメに日報や状況をアプリに入れる習慣ができたことで、「今日誰かがどこかで何かやっているな」という状況が、管理者だけでなく全員が一瞬で確認できるようになり、状況把握が格段に早くなりました。
――現場ポケットの満足度と今後の期待についてお聞かせください。
高木さん:全体的な満足度は「満足」です。価格と使いやすさ、情報共有の一元化という点で非常に満足しています。今後、非常に満足に至るためには、アップデートされた機能(例:フィルター機能)の周知を徹底してもらえるとありがたいです。
また、日ごとのスケジュールが確認できるカレンダー機能が備われば、さらに便利になると期待しています。
今の当たり前を疑ってみること
――最後に導入を検討している同業者へのメッセージをお願いします。

高木さん:現場ポケットを使うことで効率が上がるので心からおすすめです。
どんなソフトでもそうですが、特に現場ポケットは管理者(案件を作る人など)を立てて、「どうせ使うならちゃんと使う」という意識を持つことが重要です。その意識一つで、思っている以上に便利になります。
私たちもそうでしたが、「今までやってきたことは当たり前」という観点を変えるだけで、導入効果は大きく現れます。
例えば、何か問題があった時、以前は多くの人に順番に電話していましたが、今は現場ポケットに入れれば一発で済む。間違った情報で伝わることもなく、全員が同じ情報を見ることで済みます。悩んでいるなら、まずは試してみるといいと思います。