大阪に本社を構え、全国でプラント設備や大型工事を手掛ける株式会社マルニコーポレーション様。1現場に100名以上の協力業者が集結する同社では、長年「紙の名簿」による入退場管理と、それに付随する膨大な「事務残業」が大きな課題となっていました。
現場監督をデスクワークから解放し、安全管理や現場本来の仕事に集中させるため、同社が選んだのは「現場ポケット」です。
なぜ「ID数無制限」が決め手となったのか、そしてどのようにしてアナログ気質な現場に浸透させたのか。坂本さんにお話を伺いました。
100人の紙名簿をExcelに打ち込む「毎日1時間の事務残業」
――現場ポケット導入前、どのようなお悩みを抱えていらっしゃいましたか?

坂本さん: 一番の課題は協力業者の管理、特に出退勤の管理でした。大型の現場になると、一日に100人以上の職人さんが入ります。
これまでは全て「紙ベース」で管理していました。
朝礼のミーティングで1人ずつ名前と出勤時間を書き、終礼で退勤時間を書く。現場監督は夜に事務所へ戻ってから、その山のような紙を見て、1人ずつ氏名や時間をExcelに打ち込んでいたんです。
――100名分を毎日打ち込むとなると、相当な時間がかかりますよね。

坂本さん: そうなんです。慣れている監督でも膨大な時間がかかりますし、パソコンに不慣れな人だと、この作業だけで毎日1時間から2時間の残業が発生していました。
家に帰ってからパソコンを叩いている社員もいて、会社としては「現場以外の事務仕事でこれ以上負担をかけたくない」「現場監督がかわいそうだ」という思いが強く、スマートフォンで打刻できるシステムを必死に探していました。
―― 打刻システムは他にも検討されましたか?

坂本さん: はい、いくつか検討しました。以前は他社サービスを使っていた時期もありましたが、コスト面がネックでした。うちのように協力業者が100名、200名と増えていくと、ID課金制のシステムでは費用が膨大になってしまいます。
現場ポケットは「ID数無制限で、人数が増えても定額」という点が非常に魅力的で、「これならいける!」と確信して導入を決めました。
コストパフォーマンスと「ITに疎い人」への使いやすさ
――数あるツールの中から、現場ポケットを採用された決め手は何でしたか。

坂本さん: まずは先ほどお話しした金額面です。インターネットで探した中で、人数無制限で使えるものとしては一番お手頃でした。
もう一点は「シンプルさ」です。現場の職人さんや監督には、機械に詳しくない人も多い。現場ポケットはLINEのような感覚で操作でき、説明がなくても直感的に使えるデザインだったので、これなら現場でも浸透すると感じました。
事務残業が50%削減し、データの「信憑性」が劇的に向上
――現場ポケット導入後の効果を教えてください。

坂本さん: まず、監督の事務残業が半分(50%)ほどに減りました。 今までは紙を見てゼロからExcelに入力していましたが、今は現場ポケットから出力したデータを基幹システムに流し込むだけです。
30人、50人と人数を数えていた時間が数十分で終わるようになり、監督が本来の業務である安全管理などに集中できるようになりました。
――データの精度についてはいかがでしょうか。
坂本さん: ここが一番の驚きでした。以前のExcel手入力では、間違いや書き漏れが避けられず、データの信憑性に乏しかったです。
しかし今は、「打刻しなかったら出勤扱いにならないよ」というルールを徹底したことで、データの信憑性が劇的に上がりました。
協力業者からの請求書と現場ポケットの打刻データを照らし合わせる際、以前は「本当に3人入ったのか?」と疑わしい場面もありましたが、今はエビデンスがしっかりしているので、工数管理や原価管理も非常に正確になりました。
――現場でのコミュニケーションにも変化はありましたか。

坂本さん: 現場監督が「明日の仕事はこのチームでここに入って」と、写真を添えてトークで指示を出しています。文章を打つのが面倒な職人さんでも、写真ならパッと見て理解できますからね。
特に県外の業者さんが入る大型現場では、現場が始まる前の段取りや準備物の確認を現場ポケット上で行っています。
離れていてもスムーズにやり取りができるようになり、現場の初動が驚くほど早くなりました。
若いメンバー主導で進む改善
――現場への落とし込みで苦労されたことはありませんか。

坂本さん: 非常にスムーズでした。うちは若いメンバーが多いので、初期設定なども各自で進めてくれました。誰か一人が理解すれば、現場で教え合ってすぐに浸透しましたね。
最近では、私たちが指示したわけではないのに、現場が自分たちで「この方が効率的だ」と新しいグループを作って、写真共有や連絡を活発にやっています。「うまいこと使いこなしてるな」と感心して見ています。
長期の大型工事には欠かせない「データ」
――今後、現場ポケットをどのように活用していきたいですか。
坂本さん: 半年から一年単位で動く大型工事においては、現場ポケットでの管理が完全に「標準」になりました。これからも継続して利用していきます。
私たちのような企業にとって、現場のデータは「命」です。誰が、いつ、どこで働いたのか。このデータが正確に取れることは、経営の健全化にも直結します。
――これから導入を検討されている企業様へメッセージをお願いします。

坂本さん: 管理にデータが必要だと考えているなら、まずは使ってみればいいと思います。
スマートフォンに疎い人でも親しみやすいシステムですし、何より「ID無制限」という自由度は、大規模な現場を持つ会社にとって大きな武器になります。