「職人のガラケー文化」から脱却し、全社的な情報の見える化を実現した現場DX事例

2025-12-24

「職人のガラケー文化」から脱却し、全社的な情報の見える化を実現した現場DX事例

エクステリア事業を主軸に、リフォームや不動産管理まで幅広く展開する株式会社フラップ様。同社はかつて、現場の職人とのやり取りを「会社の共通メール」に依存していました。
しかし、職人の多くがガラケーを使用していたこと、そして案件ごとに整理されない情報の管理体制が、設計や営業、総務といった全部署に「見えないストレス」と「大きな工数ロス」を生んでいました。
この「情報のブラックボックス化」を打破し、全社的な生産性向上を達成した背景には、営業担当の山内さんによる徹底した「職人へのアプローチ」と、現場ポケットの「データ容量無制限」という強みがありました。

設計と現場が分断された「メール管理」の限界

――現場ポケットを導入する前、社内ではどのような課題を抱えていらっしゃいましたか。

※イメージ写真

山内さん: 一番の悩みは、情報の分断と進捗管理の煩雑さでした。
以前は職人がガラケーで撮った写真を営業宛てにメールで送ってくる運用でしたが、進捗状況や共有の不足があったり、現場との即時の共有っていうのがなかなかできていませんでした。

設計担当やその他社員も職人と営業でやりとりしている情報を確認したいという声があがったものの、メールでの管理体制には限界がありました。営業としても、外出中に現場がどうなっているか分からず、元請けさんから状況を聞かれても即答できませんでした。

職人も「写真の共有が面倒だ」「地図や図面の印刷が大変だ」と感じており、全部署で情報の遅れや統一性の欠如が大きな課題となっていました。

――その結果どのような業務負担が発生していましたか?

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山内さん: 設計担当者が現場情報の即時共有を受けられないため、図面作成時に改善すべき点が見過ごされたり、施工の統一性が損なわれたりといった「現場離れ」が起きていました。

また、写真の送り忘れも頻繁にあり、数日後にまとめてメールで送られてくると、どの現場か判断するだけで一苦労。

結局「見て終わり」になってしまい、追加工事の際に過去の記録を見返せないという悪循環に陥っていました。

将来の成長を支える「データ容量無制限」

――多くの現場管理アプリがある中で、なぜ「現場ポケット」を選ばれたのでしょうか?

※イメージ写真

山内さん: 数社を比較検討したのですが、最大の決め手は「データ保存容量の制限がなかったこと」です。エクステリアの現場は写真が命です。

1現場で数十枚、それが営業5名や複数の職人、さらに不動産部の管理物件まで加わると、データ量は膨大になります。他社は後から課金が必要になる「容量制」が多かったのですが、現場ポケットはどれだけ写真を上げても定額。
長く使い続ける上で、これが最も重要なポイントでした。

「職人のプライド」に寄り添い落とし込みを完遂

――導入時はスムーズでしたか。

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山内さん: 正直に申し上げると、職人への落とし込みは大変でした。職人は新しいツール、特にITへの抵抗が非常に強いんです。「個人スマホにアプリを入れたくない」という声もあり、浸透まで1ヶ月以上かかりました。

そこで私がまず徹底的に勉強し、「今より絶対に楽になる」というメリットを明確に提示するようにしました。特にご年配の職人さんには「教えてもらうのが恥ずかしい」というお気持ちもあるので、手取り足取り教えるのではなく、現場ポケットのマニュアル動画を送り、自分のペースでこっそり見てもらうように工夫しました。

動画は分かりやすかったようで、今では全員がスムーズに使いこなしています。

全部署が実感する「情報の民主化」とコスト削減

――導入後、どのような改善が見られましたか?

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山内さん: 「情報の見える化」によって、全部署の不安が解消されました。

設計担当は、営業を通さず直接メッセージで図面の詳細や地図の受け渡しができるようになり、電話連絡が減って業務効率が劇的に上がっています。総務においても、誰がどの現場に入っているか記録が残るので、原価管理がしやすくなりました。

メッセージの「既読」機能のおかげで、周知事項が伝わった確信が持てる安心感も大きいですね。職人も、わざわざ会社に戻って報告する手間がなくなり、現場で完結できることを喜んでいます。

――営業面や事務作業の数値的な成果はありますか?

山内さん: 写真の情報共有漏れは100%改善されました。

「現場に入ったら到着写真を撮る」というルールを敷いたので、誰がどこで何をしているか一目瞭然です。また、総務部での補助金申請などの資料作成時に、過去の写真をすぐに引用できるようになったため、探し出す時間が大幅に削減されました。

次は「工程管理」の完全移行へ

――現場ポケットの満足度と推奨度を教えてください。

山内さん: 社内では「満足」という声が多いですね。推奨度については、あえて「どちらとも言えない」と答えるスタッフもいます。理由は「ライバル会社に教えたくないほど強力な武器だから」という、良い意味での回答です(笑)。

――今後、どのように現場ポケットを活用していきたいですか?

山内さん: 次は「工程表」のフル活用が課題です。今は私が紙で書いた工程を共有していますが、今後は職人自らが入力し、自分の作業スピードを客観的に把握できる環境を作りたいと考えています。

――最後に、導入検討企業へのメッセージをお願いします。

山内さん: 人を管理するのは大変なことですが、情報を共有し合うことで自然と現場の規律が生まれ、管理がスムーズになります。苦労している会社さんほど、一度この仕組みに乗れば、営業も設計も現場も本当に楽になりますよ。


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