情報が流れる通知地獄を排除し、過去の履歴を瞬時に探し出した。クレームや内部の不正を防ぐ仕組みを完成させた。
2026-08-18
不用品の買取・回収から家一軒まるごとのお片付けまで、幅広いサービスを提供するリユース業の株式会社シーダス。同社では、お客様ごとに状況が異なる現場の情報を、いかに正確かつ迅速に社内や提携先と共有するかが課題でした。以前はグループLINEやメール、電話での連絡が中心で、情報の散逸や伝達ミスが頻発。そこから現場ポケットの導入により、顧客情報の一元管理と業務フローの劇的な改善を実現しました。代表の田原様にお話を伺いました。
LINEとメールの二重連絡、パワポでの手作業…散在する情報が経営リスクに
――現場ポケット導入前の課題を教えてください。

田原さん:一番の課題は、現場情報の共有が煩雑だったことです。我々のリユース業は、お客様のお宅に伺って不用品を回収したり、残置物を撤去したりする「お片付け」が業務の主軸です。現場ごとに「何を片付け、何を買い取りし、何がゴミになったか」という状況が全く異なります。この情報を正確に把握し、関係者間で共有するのが非常に難しかったのです。
以前は主にグループLINEを使っていましたが、これだと情報が時系列で流れていってしまいます。後から特定の案件の情報を探そうとしても「あれ、どれだったっけ?」と膨大な履歴を遡る必要があり、非常に非効率でした。写真もLINEのアルバムでは整理しきれず、結局、担当者個人のスマートフォンにデータが属人化してしまうという問題も抱えていました。
――情報共有の体制が整っていないことで、具体的にどのような問題が起きていましたか?
田原さん:二度手間、三度手間が当たり前になっていました。例えば、我々は自治体と連携してお片付けをすることもあるのですが、自治体はセキュリティの観点からLINEの使用が禁止されています。そのため、社内のLINEグループで共有した内容を、わざわざ担当者がメールにまとめ直して報告するという、非常に面倒な作業が発生していました。自治体向けの報告書も、以前は写真を一つひとつ貼り付けたPowerPointを毎回手作業で作成しており、特定の担当者に大きな負担がかかっていました。
また、より深刻だったのは金銭的なリスクです。買取金の支払い管理などもLINE上で行っていたため、情報が流れてしまい、お客様への入金を見逃してしまったことが実際にありました。お客様からのご指摘で発覚したのですが、これは会社の信用問題に関わります。情報が散逸していることで、常にそうしたリスクと隣り合わせの状態だったのです。
建築現場向けアプリに「リユース業との共通点」を発見
――数あるツールの中から、現場ポケットを選ばれた理由は何だったのでしょうか。

田原さん:きっかけは、Instagramでたまたま広告を見かけたことです。建築現場で必要とされる情報管理の仕組み、つまり「顧客ごとの情報」「やりとりの履歴」「写真の保管」という3つの要素が、我々リユース業の課題解決にもピッタリ当てはまるのではないかと感じたんです。片付けや出張買取の現場で必要な情報と、建築現場で必要な情報は、実はとても似ているな、と。
――他社サービスとの比較はされましたか?
田原さん:いえ、しませんでした。現場ポケットのデモ画面を見た瞬間に「これだ」と確信しましたから。決め手は、UIがLINEにそっくりで、非常にシンプルで直感的だったことです。「これなら、普段PCやiPadを使い慣れていない、うちのガテン系の現場スタッフでも絶対に使える」と感じました。複雑で高機能なツールよりも、現場の人間が毎日ストレスなく使える「使いやすさ」が何よりも重要だと考えていたので、まさに理想的でしたね。
顧客情報の一元化で「半年後の問い合わせ」にも即時対応
――導入後、最も大きな変化があったのはどの部分ですか?

田原さん:「お客様ごとに案件ファイルを作れること」、これに尽きます。はっきり言って最強の機能ですね。以前は1日に100件以上の通知が飛び交うLINEグループで情報がごちゃ混ぜになっていましたが、今では全ての情報がお客様ごとに整理されています。
特に効果絶大だったのが、過去の案件の「掘り起こし」です。例えば、一度見積もりをしたお客様から半年後に「そろそろ家を売り払うから、あの時の内容でお願いしたい」と連絡が来ることがあります。以前なら「申し訳ありません、もう一度最初からお話を伺ってもよろしいでしょうか?」と謝るところから始まっていました。しかし今は、お客様の名字や地名で検索すれば、当時の見積書や現場の写真、手書きのメモを撮影した画像まで、全ての情報が一瞬で手元に蘇ります。「〇〇様、お久しぶりです。以前はこのようなお話でしたね」と、スムーズに会話を再開できる。これはお客様にとっても、我々にとっても、非常に大きなメリットです。
――現場で対応するスタッフの方々の反応はいかがでしたか?
田原さん:現場スタッフの心理的な負担が劇的に軽減されたと思います。以前のようにお客様から昔の案件について問い合わせがあった時、「ええっと、どのお客さんだっけ…」と記憶をたどり、見つからないかもしれないという不安を抱えながら対応するのは、ものすごいストレスなんです。そのストレスがなくなったことで、対応に自信と余裕が生まれました。結果として対応スピードも上がり、お客様への印象も良くなっているはずです。円滑な顧客対応が実現できていますね。
「言った言わない」はゼロに。不正を防ぎ、企業を守る“ディフェンスツール”として活用
――トラブル防止の面ではいかがですか?
田原さん:お客様との「言った言わない」のトラブルは、導入後、ほぼゼロになりました。残念ながら、お客様の中には片付けが終わった後で「大事なものがなくなった、盗まれた」とおっしゃる方も稀にいらっしゃいます。しかし、現場ポケットがあれば、作業前の状態、買い取った品物、処分するもの、作業後の状態、その全てを写真で記録しているので、明確な証拠としてお見せすることができます。買取伝票や作業見積書も全て画像で保存してあるので、クレームにも毅然と対応できます。企業のディフェンス力が格段に上がりました。
――社内のガバナンス強化にも繋がっている、と。
田原さん:まさしくその通りです。リユース業界は、残念ながらお客様を騙して安く買い叩いたり、査定と偽って金品をくすねたりするような、質の低い営業担当者がいないわけではありません。経営者として、そうした内部の不正をどう防ぐかは常に頭の痛い問題でした。現場ポケットは、この問題にも非常に有効です。
弊社では「本部に報告するために、まずはお写真を撮らせていただきます」とお客様にお伝えし、買い取ったものは全て並べて撮影する、というルールを徹底しています。その写真はリアルタイムで本部に共有されるわけですから、営業担当は不正がやりにくくなる。経営者の目が行き届かない現場を可視化し、担当者間の相互確認の壁をクリアにしてくれる。マネジメントツールとしての側面も非常に大きいと感じています。
現場は「写真を撮るだけ」。分業化でノンコア業務から解放
――導入はスムーズに進みましたか?

田原さん:驚くほどスムーズでしたね。負担度で言えばゼロです。「いじっていれば覚えられる」というくらい直感的だったので、特別な研修も不要でした。むしろ、これまでグループLINEでの情報共有に手間取っていた現場スタッフたちが、「便利なツールが来たぞ」と主体的に触り始めてくれた、という感じです。
業務フローもシンプルになりました。現場のスタッフには「とにかく写真を撮って、現場ポケットに放り込んでおけ」と伝えています。写真の整理や報告書の作成といった後工程は、本部の事務スタッフが行う。このように、現場のコア業務と本部のノンコア業務をきれいに分業できたのも大きな成果です。スマホ一つで完結できるので、現場に余計な負担を強いることがありません。
――サポート担当の対応はいかがでしたか?
田原さん:正直、具体的なやりとりはもう覚えていないくらい前ですが(笑)、とても良い印象が残っています。私自身、かなり面倒くさがりな性格なのですが、そんな私が導入を決めたということは、担当の方が根気よく、手厚くエスコートしてくれたのだと思います。採用して良かったと思っていますよ。
さらなる進化へ。リユース業界標準のプラットフォームを目指して
――現場ポケットの満足度を教えてください。
田原さん:非常に満足しています。もし同業の経営者に勧めるなら、10段階評価で「8」ですね。マイナス2点は、我々リユース業にとっては不要な建築向けの機能も多いので、人によっては「とっつきにくい」と感じるかもしれない、という点です。ただ、それを差し引いても導入する価値は十分にあります。
――今後、現場ポケットをどのように活用していきたいですか?ご要望があればお聞かせください。
田原さん:今は写真とトークがメインですが、今後は動画や音声ログも直接アップロードできるようになると嬉しいですね。10秒程度の短いものでいいんです。それができれば、現場の実例を元にした広告展開など、新たな活用法が見えてきます。
そして究極的には、我々リユース業界に完全に特化したバージョンの共同開発に興味があります。今の機能の半分くらいを削ぎ落とし、その代わりにリユース業に必要な機能を少しだけ足す。消費者を悪質な業者から守るという社会的な意義もありますし、これが実現すれば、業界のスタンダードになれると確信しています。そんな未来を、現場ポケットさんと一緒に作っていけたら面白いですね。