工事が適切に行われたことを証明するために、工事写真をまとめて作成されるのが、工事写真台帳です。そして工事写真のまとめ方や作り方には、細かなルールがあります。
「工事写真のまとめ方や作り方について網羅的に知っておきたい」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、工事写真台帳のまとめ方や作り方、綺麗に整理するコツなどについてまとめました。
担当者様に向けて、プロの目線から解説をします。
記事を最後までチェックすれば「工事写真はこうやってまとめれば良いんだ」と明確なイメージが掴めますよ。
工事写真台帳のまとめ方の見本
工事写真台帳の見本は以下のとおりです。
画像左側が表紙、右側が中身となっています。写真の順番については次の項目で解説しますが、原則こういった形で写真をまとめていきます。
国土交通省が定める工事写真台帳のまとめ方
国土交通省が公開する写真管理基準には、工事写真台帳は以下の順番でまとめるよう記載されています。
- 着手前及び完成写真
- 施工状況写真
- 安全管理写真
- 使用材料写真
- 品質管理写真
- 出来形管理写真
- 災害写真
- 事故写真
- その他(公害、環境、補償等)
それぞれ詳しく見てみましょう。
着手前及び完成写真
工事写真台帳の冒頭見開き部分に掲載するのが、着手前及び完成写真です。見開きの左側に着手前写真を、右側に完成写真を掲載しましょう。
着手前及び完成写真を掲載することで、工事前後の状況が一目で分かります。
施工状況写真
どういった流れで施工が進んだのか、工事の流れを記録するために掲載するのが、施工状況写真です。
施工箇所ごとに施工中の写真を並べます。
施工状況写真は、工事写真台帳のメインとなる部分と言っても良いでしょう。
安全管理写真
現場における安全対策が、適切に実施されていることを記録するために掲載するのが、安全管理写真です。
ヘルメットや安全帯の使用状況など、労働安全衛生法に基づく対策が守られていることを示します。
使用材料写真
適切な材料を使用して工事を行っていることを証明するために掲載するのが使用材料写真です。
施工箇所ごとに、指定の材料を使用して施工している様子を撮影します。
場合によっては、材料計測結果やミルシートなどの証明書を添付することもあります。
品質管理写真
充分な品質管理体制で工事が行われたことを示すために掲載されるのが、品質管理写真です。
品質測定中や試験実施中の様子を撮影した写真を掲載します。不具合や不備が発生した際には、原因究明のための資料として利用されることもあります。
出来形管理写真
発注者の定めた規格基準に対して、どのくらいの精度で施工されたかを示すために掲載されるのが、出来形管理写真です。
施工ステップごとに、寸法や形状に関する部分を記録します。また施工箇所に加えて、全景写真も必要です。
災害写真
現場が災害の被害を受けたことを証明するために掲載されるのが災害写真です。
災害とは、集中豪雨・台風・地震などのことです。災害によって工期が遅れた場合には、それを証明するために役立ちます。
事故写真
工事中に起きた事故を記録するために掲載されるのが事故写真です。
事故発生時の状況から被害の規模まで、詳細に記録します。事故写真は、保険請求や法的手続きにおいて役立つこともあります。
その他(公害、環境、補償等)
ここまで挙げた内容以外で、何か必要な写真があれば、最後にまとめて掲載します。
騒音・振動・粉塵などの公害対策、環境、補償に関する写真などが掲載されます。
工事写真台帳の作り方4ステップ
工事写真台帳は、以下の順序で作成しましょう。
- 計画を立てる
- 表紙を作成する
- 写真を貼り付ける
- 情報を追記する
1つずつ詳しく解説します。
計画を立てる
まずは、どの段階でどんな写真が必要か、工事写真撮影の計画を立てます。
先ほど紹介した「国土交通省が定める工事写真台帳のまとめ方」を見て「こんなに写真が必要なのか」と驚いた方もいらっしゃるでしょう。
計画を立てないと、必要な工事写真を撮り逃してしまいます。最悪の場合、作業を手戻りしてまで写真を撮り直さなければなりません。
着手前・施工中・完成後に、それぞれどういった工事写真を撮るか、計画を立てましょう。
表紙を作成する
工事写真撮影の計画を立てた後は、台帳の表紙を作成します。表紙の見本は、記事冒頭でも紹介しました。
工事写真台帳の表紙に記載する内容は以下のとおりです。
- 工事名
- 工事箇所
- 工期
- 工事責任者
- 発注者
- 施工会社
これらの内容を記載することで、表紙を見ただけで工事の概要が簡単に分かります。
作成日や台帳番号も付け加えると、複数の台帳を管理する際に便利です。
写真を貼り付ける
「国土交通省が定める工事写真台帳のまとめ方」で紹介した順番で、写真を貼り付けます。
ただ紹介した順番で貼り付けるだけではなく、関連する作業やポイントごとにグループ分けをしましょう。
写真の向きやサイズも統一して、見やすい工事写真台帳になるように心がけてください。
また写真を貼り付ける際は、完成前後の写真を見開きにすることを心がけましょう。
情報を追記する
写真左側の空いたスペースには、以下のような工事情報を必要に応じて追記しましょう。
- 工種
- 測点
- 設計寸法
- 実測寸法
- 略図
特に変更や問題が発生した場合には、補足説明をしっかり記載することが重要です。
「工事写真台帳に目を通す方がどんな情報を知りたいか」を先読みして情報を追記しましょう。
なお工事に関する情報は、台帳の追記欄のみならず、写真内の小黒板にも記載できます。
小黒板は、アナログなものではなく電子小黒板がおすすめです。詳しくは以下の記事で紹介しています。
関連記事:【無料あり】工事黒板アプリおすすめ6選!アンドロイドでも使える
国土交通省が定める工事写真の撮り方
国土交通省は、工事写真の撮り方について、以下のように定めています。
写真撮影にあたっては、以下の項目のうち必要事項を記載した小黒板を文字が判読できるよう被写体とともに写しこむものとする。 ①工事名 ②工種等 ③測点(位置) ④設計寸法 ⑤実測寸法 ⑥略図 (出典:国土交通省 写真管理基準 令和2年3月 1ページ) |
また、国土交通省によって定められているわけではありませんが、以下の項目も工事写真を撮影する上では大切です。
- 撮影対象が鮮明に分かるようにする
- アングルを統一する
- 撮影位置を明確にする
- 類似した写真は番号をつけるなどして区別できるようにする
工事写真を綺麗に整理するコツ
工事写真を綺麗に整理するコツは、以下の3つです。
- 完成前後の写真は見開きを活用して貼り付ける
- エクセルのテンプレートを活用する
- 工事写真アプリを活用する
各コツについて詳しく見てみましょう。
完成前後の写真は見開きを活用して貼り付ける
着手前及び完成写真は、見開きの左側に着手前、右側に完成写真を掲載するとお伝えしました。
それ以外の写真でも、完成前後の場合には見開きの左側と右側に貼り付けましょう。そうすることで、台帳がより見やすくなります。
特に施工状況写真では、施工箇所ごとに、施工前と完成後の写真を撮影します。よって左側に施工前、右側に完成後という形で、写真がズラリと並ぶことになるはずです。
エクセルのテンプレートを活用する
工事写真台帳は、エクセルを使って自作されることが多いです。本記事冒頭で紹介したような雛形を作成して、そこに写真などを挿入します。
一度エクセルで雛形を作成しておけば、その後はそれをテンプレートとして使用できるので便利です。
そして工事写真台帳のテンプレート作成に、それほど高度なエクセルスキルは必要ありません。
表紙と台紙を作成して、台紙をページ分コピーすれば良いだけなので、手間もそれほどかかりません。
またエクセルで自作をせずに、インターネット上で公開されている無料テンプレートを使うという選択肢もあります。
以下に、工事写真台帳のエクセルテンプレートをダウンロードできるサイトをまとめました。
工事写真アプリを活用する
工事写真台帳の作成では、デジタルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込んで、エクセルのテンプレートに貼り付けなければなりません。
また写真は、工事黒板とともに撮影しなければなりません。
こういった面倒な業務は、工事写真アプリを使うことで効率化できます。
工事写真アプリを使えば、スマートフォンで工事写真を撮影し、それをアプリ内のアルバムに入れるだけで綺麗にまとめられます。
デジタルカメラのSDカードを挿し替えて、パソコンにデータを取り込む手間がかかりません。
また電子小黒板の機能を使えば、スマートフォンで簡単に、写真の隅に工事黒板を設置できます。
以上から、工事写真台帳を丁寧に整理したい方や、かかる労力を少しでも削減したい方には、工事写真アプリの活用がおすすめです。
おすすめの工事写真アプリについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
関連記事:【無料あり】工事写真アプリおすすめ10選!機能や費用を徹底比較
工事写真アプリなら現場ポケットがおすすめ
現場ポケットは、スマートフォンで撮影した工事写真を、アルバムで綺麗にまとめられるアプリです。
トーク画面に投稿した写真が自動でアルバムに反映されます。またタグ付け機能で写真を簡単に整理できます。
工事写真台帳を作成する際は、ぜひ現場ポケットを活用してみてください。
また現場ポケットには、工事写真台帳の作成に役立つアルバム機能のみならず、以下の機能も搭載されています。
- 日報機能
- 報告書作成機能
- トーク機能
- 掲示板機能
- 工程管理機能
よって業務全体の効率化につながります。
月11,880円で利用でき、初期費用やオプション費用は一切かかりません。
現場ポケットは、35,000人以上の方々に登録いただいております。また契約更新率は95.5%と、多くの利用者様に満足いただいています。
最大2ヶ月間の無料体験が可能です。詳しくは以下よりチェックしてみてください。
まとめ
今回は、工事写真台帳のまとめ方や作り方、綺麗に整理するコツなどについて解説しました。
本記事で紹介した内容を実践すれば、綺麗な工事写真台帳が作れますよ。
また工事写真台帳に関する業務を少しでも効率化したいのであれば、工事写真アプリの活用がおすすめです。
最大2ヶ月間無料で利用できる現場ポケットについては、以下よりご確認ください。